最新パーツ性能チェック 第196回
本日7/19発売のNVIDIA新ミドルクラスをレビュー
新ミドルレンジ「GeForce GTX 1060」ベンチマーク VR元年に相応しいお手頃&ハイパワーGPUなのか?
2016年07月19日 22時00分更新
GTX 960/970/980、RADEON RX 480とベンチマークで比較
では今回の検証環境を紹介しよう。比較対象として、前世代のGTX 960/970、およびGTX 980を準備。さらに直近に登場したRX 480も比較対象として加えてみた。果たしてNVIDIAが謳う「GTX 980並みの性能」というのは本当か? ライバルRX 480との位置関係も含めつつチェックしてみたい。
ちなみに、RX 480のドライバーはCrimson Software 16.7.2の「Compatibility Mode」オフで計測している。
●テストPCの構成
CPU Intel『Core i7-6700K』(4GHz、最大4.2GHz)
マザーボード ASUS『Z170-A』(Intel Z170)
メモリー Crucial『BLS2K8G4D240FSA』(DDR4-2400、8GB×2)
ビデオカード GeForce GTX 1060 Founders Edition
MSI『GTX980 GAMING 4G』(GeForce GTX 980)
ASUS『STRIX-GTX970-DC2OC-4GD5』(GeForce GTX 970)
MSI『GTX960 GAMING 2G』(GeForce GTX 960)
Radeon RX 480リファレンスカード
ストレージ Intel『SSDPEDMW400G4X1』(NVMe SSD、400GB)
電源ユニット Corsair『RM650』(650W、80PLUS Gold)
OS Windows 10 Pro 64bit DSP版
3DMarkはGTX 970と980の中間。ワットパワーは良好
最初のベンチマークは先日DirectX 12ベースのテストモジュールが公開された「3DMark」だ。テストは“Fire Stike”“Fire Strike Ultra”に加え、新モジュール“Time Spy”も使用した。
おおむねDirectX 11でも12でもGTX 1060はOC版GTX 980とOC版970のほぼ中間、RX 480よりもわずかに上という性能であることがわかった。Time Spyが果たしてDirectX 12の性能を正しく評価できる仕組みなのかはちょっとした論争が発生している(関連サイト)が、ゲームのエンジンや最適化によっても評価は変わる。このTime SpyもあくまでDirectX 12パフォーマンスのいち側面である、ということを理解のうえ数字を見て頂きたい。
続いてワットパフォーマンスをざっくりと比較するために、1WあたりのFire Stikeスコアーを計算してみよう。まずは3DMarkのFire Strikeデモ実行中の同一シーンにおける消費電力を高負荷時としたシステム全体の消費電力を「Watts Up? PRO」にて測定。アイドル時はシステム起動10分後の値とした。
Maxwell世代のGTX 970や980に比べると、GTX 1060の“FEは”圧倒的に消費電力が少ない。Pascalアーキテクチャの優秀さがよくわかる結果となったが、GTX 1080もOC版の出力がかなり増えたように、GTX 1060マーケットで主力となるOC版の消費電力はもっと大きくなる可能性がある。実際どの辺りに着地するかは不明だが、200W以内に入ってくれることを期待したい。
そして各GPUのFire Strikeのスコアーを高負荷時の消費電力で除したものが以下のグラフとなる。ざっくりとしたワットパフォーマンスとして比較してほしい。
旧世代の格上GPU並のスコアーを出していながら消費電力が下がったため、ワットパフォーマンスも当然改善している。GTX 1080 FEには負けるが、現行ミドルレンジとしては非常に良好なワットパフォーマンスを獲得しているといってよいだろう。
GTX 960からのジャンプアップに注目
では実ゲームベースのベンチマークに入ろう。まずは描画軽めのゲームの代表として『ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド』公式ベンチマークを使用する。画質はDX11の“最高品質”、解像度を3段階(フルHD、WQHD、4K)に変えてテストした。
3DMarkのFire Strikeと同様にGTX 980未満970以上だが、よりOC版GTX 980に近いスコアーが出ている。さすがに4Kになるとフレームレートは平均30fps弱にまで落ちる(.iniファイル中の平均フレームレート表記によるもの)が、WQHDまでなら61.5fpsと快適プレーが見込める。
直近で人気があり、さらに描画も比較的軽めという「オーバーウォッチ」のパフォーマンスはどうだろうか? 画質は“エピック”をベースに、レンダー・スケール100%、テクスチャー品質「高」に設定。マップ「King's Raw」におけるBot対戦時におけるフレームレートを「Fraps」で測定した。
計測のたびに普通に操作してプレーするため、ゲームの性質上同じ展開にはならない。そのためある程度の誤差はある点はご容赦頂きたいが、ここでもGTX 970以上980未満という位置づけになっているのが確認できるとともに、GTX 960では息切れしてしまうWQHD環境でも“エピック”設定で快適に遊べることが示された。どの解像度設定でもRX 480を僅かに上回っていることからも、よくライバルの力量を見極めたスペック設定になっているものだと感心させられる。
続いてはDirectX 11ベースの中でもトップクラスの重さを誇る「Tom Clancy's The Division」で試す。画質はプリセットの“ウルトラ”を使用し、内蔵ベンチマークモードのシーケンス再生中のフレームレートを「Fraps」で測定した。
GTX 1080や1070のベンチマーク結果を見てしまうとやはりミドルレンジだなと感じるが、性能の傾向はこれまでのベンチと共通している。さすがにこのゲームだと“ウルトラ”ではなく“高”設定あたりで攻めるべきだろう。
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