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FMでAM局が聴けるソニーの新ラジオが形もスピーカーも秀逸

2016年06月28日 12時00分更新

文● 四本淑三、撮影●篠原孝志(パシャ)

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直販で2万1470円です

 ワイドFMとBluetoothに対応するスマートフォン時代のラジオ、それがソニーの「SRF-V1BT」です。

 ワイドFM対応ということで、AMラジオリスナー向けの製品とも言えるでしょう。鉄筋コンクリートに電波を遮られ、さまざまな電磁波が飛び交ういまの世の中では、AMラジオは聴きにくい。たとえば、東京都下で電子機器に囲まれて生活している私の場合は、もはやノイズを避けてAM放送を受信することは、ほとんど絶望的な状態です。

 そこで便利なのが、Radikoのようなインターネットのストリーミング放送。ノイズも気にせず聴けるので最高ですが、常にスマートフォンやアプリを立ち上げておかなければならず、ラジオのように放ったらし、流しっぱなしにする使い方には向いていない。

 だから「やっぱりラジオ専用機はほしいなあ」と、日々感じていたところ。そこに「ならばワイドFM対応のラジオはいかがでしょう、スマートフォンの音楽も聴けますよ」というメッセージを持ってやってきたのが、この製品です。

 ところで最近よく聞く「ワイドFM」ってなんなんでしたっけ?

いま家にあるラジオで聴けるかもしれない

 AMラジオの番組を、90MHz以上のFM波で放送するのがワイドFMです。地面に沿って伝わるAMの中波に比べ、FMの超短波は送信所からの直接波と反射波で伝わり、またAMに比べてノイズの影響を音声が直接受けにくいメリットがあります。

 これまでにも「都市型難聴対策」「外国波混信対策」「地理的・地形的難聴対策」「災害対策」のため、「FM補完中継局」「FM補完放送」としてFM波は全国各地で運用されてきました。

 それを在京AMラジオ3局(TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送)は「ワイドFM」と呼んで、昨年12月7日13時から東京スカイツリーを送信所として放送しているわけです。

 ワイドFMは、新しい放送規格ではありません。地上波アナログ放送の停波で空いた「V low」バンドを使うもので、地上波アナログ時代に1~3chのテレビの音声が受信できたFMラジオなら、ワイドFMも受信できます。

 ただ、国内向けのFMラジオが受信できるのは一般的に76~90MHzまでで、ワイドFMは受信できません。しかし輸出も前提とした製品や、マニア向けのハイスペックな製品には、108MHzまで受信できるものがあります。それは「ワイドFM対応」ラジオなわけです。

Radiko登場まで我が家で活躍してきたソニーの「ICF-EX5」。FM放送は108MHzまで受信可能。地上波アナログ放送時代の製品なので、90MHz以上の帯域にテレビのチャンネル番号が振ってあります。こういうラジオは、今ならワイドFM受信機として使えます

 

 なお、現在日本国内でワイドFMを運用している局は、HBCラジオ/STVラジオ/IBCラジオ/ABSラジオ/TBSラジオ/文化放送/ニッポン放送/i-fm/東海ラジオ/CBCラジオ/KNBラジオ/BSNラジオ/MROラジオ/MBS-FM90.6/ラジオ大阪/ABCラジオ/和歌山放送FM/エフエムKRY/RCC-FM/エフナン/KBCラジオ/RKBラジオ/NBCラジオ/MRTラジオ/RKKラジオ/OBSラジオ/MBCラジオ。

 いま手持ちのラジオで、これら地元局のワイドFM(FM補完中継局/FM補完放送)が入らないなら「SRF-V1BT」がオススメ、というわけです。

訂正とお詫び:初出時、一部誤解をまねく表現がございましたので訂正いたします。(2016年06月29日)

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