このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

3000円の安物イヤフォン「Piston Classic」の音は1万円クラスに匹敵

2016年06月18日 12時00分更新

文● 四本淑三

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

気になるのは音漏れ、同じドライバーを使った1M301との違い

 Piston Classicの難点は、音漏れです。背面にはっきりとチューニングホールが開いていることでもわかるとおり、これは半密閉型と考えたほうがいいでしょう。少なくとも使用にあたってはそういう心がけが必要です。

 密閉型と称してはいても、ダイナミック型ドライバーを使ったカナル型のほとんどにチューニングホールが開いています。よって大なり小なり音漏れは生じるわけですが、それでもPiston Classicの音漏れは、それらよりも大きい。ただ、必要な遮音性は確保しているので、音量に気を使えば問題はないはずです。

 イヤフォンの性能はさまざまな要素がトレードオフの関係にあり、この製品の場合は気持ちのいい音を優先して、音漏れは妥協したということでしょう。

背面の堂々たるチューニングホールはメッシュ付き

 もうひとつ気になるのが、「進級して驚いた低音」でおなじみ、同じダイナミック型ドライバーを使った同社「1M301」との違い。インピーダンスは32Ω、再生周波数帯域は20-20kHz、感度は98dB、耐入力5mWというスペックは、両機種とも共通です。

 違うのは外観で、ドライバーに対するノズルのオフセット角の有無、ドライバー後方のチャンバーの容積。そしてノズル内径はPiston Classicの方が大きい。こうした構造上の違いは音にも現れているようで、低域に関しては1M301の方がタイト、かつボトムも少し浅い。高域側の解像感もPiston Classicに分があります。

 しかしながら、1M301の方が音漏れは少なく、装着快適性が高い。Piston Classicのような薬莢型は、見た目で左右がわかりにくい上に、耳孔に収めて安定させるのに数ステップ必要です。一方、1M301のようにノズルがオフセットしたものは、外観で左右の見分けがつき、かつ耳に収めたときに、ポジションが決まりやすい。社会性も含めた快適さを優先するなら1M301、音量と音漏れのリスク管理ができるならPiston Classicという選択になると思います。

■関連サイト

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中