パナソニックは兵庫県のパナソニック神戸工場で記者会見を開催し、10.1インチ液晶搭載で880gを実現した、世界最軽量の頑丈Androidタブレット「TOUGHPAD FZ-A2」を発表した。
近年、業務用Androidアプリの充実などにより、業務用途でのAndroidタブレットの需要が高まっているという。また、従来のTOUGHBOOKやTOUGHPADシリーズは、やや重量が重く、日本国内での展開がなかなか進んでいなかったという。そこで、野外も含めて安心して利用できる頑丈さ、優れた視認性を確保する高精細な大画面、軽快に利用できる性能を兼ね備えるAndroidタブレットが欲しいという声に応えつつ、重量1kgを切る軽さを実現したAndroid頑丈タブレット、TOUGHPAD FZ-A2を投入することになった。
液晶は表示解像度が1920×1200ドットと高精細で、書類も全画面で高精細に表示できるとともに、輝度が800カンデラと非常に明るく、直射日光下でも視認性が良いという。加えて、約120cmの耐落下性能、IP65準拠の防じん防滴性能、耐振動性能、動作温度マイナス10~50℃など過酷な環境下でも安定して利用できる頑丈さを備える。発表会では安定動作温度を超えるマイナス20℃の環境で24時間氷詰めにしたFZ-A2が用意され、氷を砕いて本体を取り出した直後でも問題なく動作する様子が紹介された。
操作性に関しては、タッチパネルは手袋装着時でも操作可能で、さらに水滴が付いた状態でも安定動作する、水滴誤動作防止モードを用意。また、本体側面に収納可能なスタイラスペンを備えるなど、どのような環境下でも快適に利用できるように考慮されている。拡張性の高さも特徴で、オプションでバーコードリーダー、スマートカードリーダー、磁気カードリーダーなどを用意。さらに、ホットスワップバッテリーを搭載し、バッテリーのホットスワップ交換も可能だ。
CPUはCherry Trail世代のAtom x5-Z8550(4コア/4スレッド、1.44GHz、最大2.4GHz)、メモリーは4GB、内蔵ストレージは32GBのeMMCを採用する。インターフェースはUSB 3.1 Gen 1 Type-Cポート、にUSB 3.0、HDMI出力など。通信機能は、IEEE802.11ac準拠の無線LANとBluetooth 4.2に対応し、オプションでLTE対応ワイヤレスWANモジュールも搭載可能。OSはAndroid 6.0。本体サイズは272(W)×196(D)×16.4(H)mm。
発売時期は2016年8月下旬を予定し、市場想定価格は税抜き15万円前後となる。従来のTOUGHPADやTOUGHBOOKシリーズと同様に、警察や消防、ユーティリティ、物流、各種メンテナンス用途などでの利用を想定しているという。
その他、USB 3.1 Gen1 Type-Cポートを標準装備し、OSをAndroid 6.0を採用する7インチ液晶搭載の「TOUGHPAD FZ-B2」、OSにAndroid 5.1.1を採用する「TOUGHPAD FZ-X1」、OSにWindows 10 Proを採用する「TOUGHPAD FZ-G1」及び「TOUGHBOOK CF-31」など、既存モデルをベースとした強化モデルの投入も同時に発表された。これら機能強化モデルも、2016年7月上旬から順次発売となる予定だ。
パナソニックは今回のFZ-A2の投入によって、頑丈タブレットと頑丈ノートはWindowsからAndroidまでフルラインアップを揃えられたと考えており、今後本格的に国内市場を立ち上げていく計画だ。そして、年成長率20%を目指して市場を拡大していくとともに、頑丈タブレットと頑丈ノートの国内市場でトップシェアを目指す。