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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 ― 第94回

iPad Proで過ごした1週間

2015年12月04日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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iPad ProとSmart Keyboard。筆者がiPad Proを使う際の基本形態。4スピーカーはちょうど耳の位置とマッチしているのか、音楽を鳴らすと不思議なプライベート空間に包まれた感覚で心地よかった。もちろん、低音や音の張りはもっと欲しいところ

 さて、この原稿は、出張中だった東京を離れる直前に書いています。前回(関連記事)に引き続き、iPad Proについてです。

 筆者の主な仕事である原稿執筆については、iPad ProとSmart Keyboard、そして愛用中のエディタにiA Writerでこなすことができることを確認しました。しかし、それ以外の仕事もたくさんあります。

 前回、ワークフローが置き換えられれば、おそらく問題なくiPad Proに移行することができる点に触れました。原稿執筆以外の仕事についても、同様のことが起きているのでご紹介して行きたいと思います。

 その前に本連載でもたびたび登場している、こちらも筆者愛用中のメインマシン、2012年モデルのMacBook Pro 15インチRetinaディスプレイモデルとの違いについて触れておきたいと思います。

 何の因果か、筆者のMacBook ProはSpotlightのインデキシングでCPUもファンもフル回転の状態になっており、普段の処理に全く性能を割いてくれなくなってしまいました。iPad Proを使わざるを得ない状況の1週間でもありました。それにしても、なかなか終わらないですね。

秒単位の蓄積を意識せざるをえない

 2012年の製品と2015年の製品で比較するというのも酷な話ではありますが、筆者の手元の環境での使用感からすると、完全にiPad Proの方が、あらゆる動作をスムーズにこなすことができる、という印象を受けました。

 たとえば、プレゼンテーションをKeynoteで作成中に、写真アプリから挿絵となる画像を入れようとします。iPad Proでは、マルチタスク機能を利用し、右からスライドオーバーさせたり、スプリットビューを利用して、写真の閲覧とコピー、スライドへのペーストという動作を何度繰り返しても、何も変化なく動いてくれます。

 しかしこの作業をOS X El Capitanを導入したMacBook Proでやろうとすると、「写真」アプリを開いたあたりから、CPUのファンがうなり始めて、写真のスクロールや1枚ずつ開いて確認する動作に引っかかりが生じてきます。また、途中で動画のプレビューをしようとすると、さらにやや待たされるようになっていきます。

 こういうiPad Proで体験しえないことが起きると、「ああ、いくらタブレットでも、3年間のパフォーマンス進化は起きているんだな」ということがわかりますし、iPad Proの売り文句である「8割のパソコンより速いパフォーマンス、9割のパソコンよりも速いグラフィックス」は伊達ではないな、ということを考えてしまいます。

 もちろん、Macの使い方とiPadの使い方は、アプリの開き方、ファイル操作、同時並行させる作業数などが異なり、単純な比較をすることはできません。それでも、普段やっている作業の快適さがここまで違うと、秒単位の蓄積であっても、1日の終わりにはとんでもないことになってしまうでしょう。

iPad Pro+Apple Pencilならば、メモも豊かに

 筆者はあまりボイスレコーダーを使わずにインタビュー取材を行ないます。自分が面倒臭がりだから、ということを棚に上げつつ、“どうせ”録音してもあとから聞き直すことはないからです。

 たいていの場合、使いやすいキーボードを備えたデバイス、今までであればMacBookシリーズを使って、インタビューで語られた話をその場でタイピングしてしまうのです。その方が、後で文章にまとめる際にも、インタビュー時間すべてを聞き直す必要がなくなり、非常に時間が短縮できます。

 ただ、最近では録音も残すようにしています。Podcastにインタビューを掲載させていただく際に便利だから、というのが主な理由でもあります。

 Evernoteにメモを記録し、これを前回から登場しているiA Writerにペースト。こうして、インタビューのメモを見ながら、原稿をまとめていく、というワークフローです。もちろん、タイピングしながらでもきちんと質問しなければならないのですが、そのメモを取っているEvernote自体に質問を用意しておけば、話が盛り上がっても、きちんと聴きたかったことを逃さないのです。

 筆者がこの仕事を始める際に、当時のCNET Japanの創刊編集長で、グリーの副社長を務められていた山岸広太郎さんに「松村くんはインタビュー原稿、下手だよね」と言われて、きちんと準備したり、できるだけ原稿化する部分に時間を割けるように、という工夫からきたやり方でした。

 Evernoteに各メモは、インタビューや原稿のアイディアばかりではありません。打ち合わせの際に思いついたことのメモや、アイディアスケッチ、ホワイトボードをスマートフォンで撮影したものなど、様々なメモが入っています。

 ホワイトボードはともかく、それ以外のほとんどのメモは、タイピングのスピードに任せてテキストベースのものばかりでした。ここが、iPad Proによって変化し始めようとしています。Apple Pencilの活用です。

 Apple Pencilは、筆者の既存のワークフローの中には登場しないデバイスでした。というのも、前述の理由から、ほとんどの入力をキーボードに頼ってきたからです。絵心のなさも、その傾向に拍車をかけていたように思います。

 その一方で、ちょっとした図やイメージを伝える際に、やはり手書きフリーハンドの線画は便利。Apple Pencilは、Evernoteに用意されている手書きメモ機能で、こうした手書きの線画を簡単に挿入できるようになりました。


(次ページでは、「Apple Pencilを使うとスライド作成は速くなる」)

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