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HD Impressionのハイレゾサラウンド音源・第3弾

ハイレゾ+サラウンドの楽しみと深さを実感した試聴体験

2015年11月05日 09時00分更新

文● 小林 久/ASCII.jp

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独特の風合いのある音色の楽しさ

HD Impressionの代表・阿部哲也氏

 最後に『竹ノオト』。演奏はBamgBoom!。曲名を見てわかるように主旋律からリズム帯まですべて竹で作った楽器を利用して演奏する。楽器の制作にあたってはメンバー一人一人が竹林から竹を切り出す作業から始めるとのこと。竹をマリンバ風に並べて叩く音の微妙に安定していないピッチにはコミカルな風合いがある。

 サラウンドでもステレオでも、特に特定の周波数帯を上げ下げするといったことはしていないそうだが、聴くとサラウンド再生時には中低域の音の分離が増し、明らかに質が上がるから不思議だ。笛も天然素材で作られた楽器の響きがより一層伝わってくる。

 理由としては、サラウンド録音用に複数のマイクを立てているが、ステレオではこれを2chに振り分けるため「若干音ににじみが生じる。サラウンドでは録ったマイクそれぞれがそのまま各チャンネルに振り分けられるのでより位相が合い、にじまないためだろう」とのことだった。

 ちなみに竹の打楽器はバケツを叩いたようなくぐもった感じが多少ある。実は演奏者に向かい合う位置で聞くと手前に底が来るため、音が後ろに飛ぶためだろう。収録時にはマイクを楽器の前後両方で試したが、演奏者の後ろから録音すると少しきつすぎることもあって現状の形に落ち着いたのだという。こういった試行錯誤の過程を聴くのも面白い。

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