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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 ― 第143回

エイプリルフールに本気を出した2つの会社

ダジャレの裏で日本にしかない技術あり、コルグ「チュナ缶」のこだわりとは

2015年06月06日 12時00分更新

文● 四本淑三

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 あなたは覚えているだろうか。SNS時代に入って、年々うざい感じになってきた今年のエイプリルフールに、あの会社がこんなネタを放ったことを。

【新製品】株式会社コルグは2015年4月1日、缶入りギター/ベース・チューナー「チューナー缶」(愛称:チュナ缶)を発表いたします。
「チューナー缶」は、チューナーと語呂の近い「ツナ」→「ツナ缶」から着想を得たもので、1975年3月に世界初の針式メーター・チューナー「WT-10」を発売してから今年40周年を迎える、コルグ・チューナーの集大成と位置づけられる製品です。
チューナーとは誰も思わない大胆なパッケージ・デザインは、お部屋の楽しいアクセントとしても最適。食品ストック棚に、他の缶詰と一緒にさりげなく並べて置けば、ギターと料理が得意な奥様へのサプライズ・プレゼントにも!(あまりにも馴染んで、気がついてもらえなかったらごめんなさい)
ステージやスタジオだけでなく、パーティーやランチ、ピクニックのお供に。「チューナー缶」をぜひお求めください。
※本日はエープリル・フールです 。

 チュ、チュナ缶って……。

 それにしても、わざわざラベルを貼った缶まで用意するこの周到さ。しかも、自社の看板商品を使ってダジャレ! 他社がやらないことを全力で取り組む、この会社の姿勢そのものじゃないですか。いや、お疲れ様! また来年!

 と、受け流した1週間後に、チュナ缶が本当に発売されるというリリースが流れてきて、またびっくり(関連記事)。冗談と見せかけて、実際にモノを用意していたのだ。前から思っていたけど、やっぱどうかしてるぞ、このメーカー。

 担当編集からも速攻で「これってネタだったんじゃ?」と確認が入ったので、こちらも応戦すべくコルグさんにチュナ缶の貸出要請をかけてもらったのだが、それで判明した事実に、またまたびっくり。

 実はこの缶、ただの缶ではないのだ!

 チューナーをしまう入れ物として使ってもらうため、蓋を開けた切り口で怪我をしないダブルセーフティープルトップ缶だったのである。そして、このプルトップの製造を請け負ったのが、ダブルセーフティープルトップ缶を世界で初めて開発した、知る人ぞ知る大田区の町工場「谷啓製作所」だったのだ。

 世界初の針式チューナーメーカーと、世界初のダブルセーフティープルトップ缶メーカーの、超エクストリームなコラボは、いかにして実現したのか。そんなわけで我々は大田区の西糀谷(にしこうじや)、いわゆる「羽田」へ向かったのである。

「缶詰容器でのケガにご注意!」と東京都も「東京くらしweb」で注意喚起している。 ツナ缶のような「イージーオープンエンド」と呼ばれるタイプの缶は、開口部や蓋の切り口が鋭利で指に接触すると怪我をしやすい

(次ページでは、「あの有名アーティストの缶も作っていた」)

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