豊富なカスタマイズメニューを用意
「ESPRIMO WD2/S」では、CPUやストレージの種類、メモリー容量などが選択できる。富士通のほかのモデルに比べてメニューが多く、ユーザーの好みや予算に合った柔軟なカスタマイズが可能だ。
搭載可能なCPUとして用意されているのは全部で4種類。Core i7-4790(3.60GHz)とCore i5-4590(3.30GHz)については前モデルと変わらないが、Core i3 4150(3.5GHz)はCore i3-4160(3.60GHz)へとアップグレードしているほか、新たにCeleron G1840(2.80GHz)が追加されている。それぞれのCPUの違いについては、下記の表でご確認いただきたい。
「ESPRIMO WD2/S」で選択可能なCPUの主な違い | ||||
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種別 | Core i7-4790 | Core i5-4590 | Core i3-4160 | Celeron G1840 |
コア数/スレッド数 | 4/8 | 4/4 | 2/4 | 2/2 |
動作周波数 | 3.6GHz | 3.3GHz | 3.6GHz | 2.8GHz |
最大動作周波数 | 4GHz | 3.7GHz | - | - |
キャッシュ | 8MB | 6MB | 3MB | 2MB |
内蔵GPU | インテルHDグラフィックス 4600 | インテルHDグラフィックス 4600 | インテルHDグラフィックス 4400 | インテルHDグラフィックス |
もっともパワーがあるのはクアッドコアのCore i7-4790で、動画編集や3D制作、あるいはプログラム開発など負荷の高い作業向けだ。一般的な利用であれば、Core i5-4590やCore i3-4160でも十分なパワーを持っている。Celeron G1840についてはそれほど性能は高くないものの、メールやネット、文書作成には十分な性能だ。価格が安いので予算を可能な限り抑えたい人や、企業のシンクライアント利用で高い性能が必要ないケースなどに向いている。
メモリーは、4/8/16/32GBから選択できる。特別な理由のない限り、徐々に主流になりつつある8GB以上を選んでおいたほうが無難だ。カバーを外して自分で取り付けることもできるが、購入時に追加しておいたほうがいろいろと面倒がない。
ストレージには500GB/1TB/2TB/3TBのHDDか、256GB/512GBのSSDを選択できる。Windows 8.1をもっとも快適に利用できるのは、アクセス速度が高速なSSDだ。だが256GBや512GBだけでは、写真や動画を保存していくと容量不足になりそうだ。
Windows 8.1の快適さと容量の大きさを両立するなら、メインのストレージにSSDを選び、2台目(2nd HDD)に3TB HDDを追加する構成を勧めたい。トラブルに備えるなら3TB HDDを2台選び、Windows 8.1の「記憶域」で冗長化(ストレージの故障の備えた対策)するという手もある。
「ESPRIMO WD2/S」で選択できるストレージの種類 | |
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1台目(HDD/SSD) | 512GB/256GB SSD、3TB/2TB/1TB/500GB HDD(7200回転/分) |
2台目(2nd HDD) | 3TB HDD(7200回転/分)、またはなし |
グラフィックスも多くの選択肢を用意
グラフィックス機能のメニューとしては従来のNVIDIA GeForce GT 635(1GB)に加え、3Dワークステーション向けのNVIDIA Quadro K620(2GB)が追加された。これはOpenGLに最適化されたGPUで、プロ向けの3D CG/CADソフトを扱うためのもの。DirectXに最適化されたゲーム向けのGeForce GT 635とは、利用用途が異なる点に注意したい。
外付けGPUを利用しない場合はCPU内蔵のGPUを利用することになるが、この場合でもさらに「HDMIインターフェース」というオプションが用意されている。通常では映像出力端子としてアナログRGB端子とDVI端子しか用意されていないが、このメニューを利用することでHDMI接続の映像機器を利用可能だ。
グラフィックス機能別の映像出力端子の構成 | |
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Quadro K620選択時 | DisplayPort端子、DVI-D端子 |
GeForce GT 635選択時 | DisplayPort端子、DVI-D端子、アナログRGB端子 |
HDMIインターフェース選択時 | HDMI端子、DVI-D端子、アナログRGB端子 |
インテル HD グラフィックス 4600/インテル HD グラフィックス 4400選択時 | DVI-D端子、アナログRGB端子 |
自前のHDMI対応機器を利用する場合や外付けGPUなしでトリプルディスプレー環境を構築する場合に必要になるので、必要に応じて追加しておきたい。
そのほかのカスタマイズメニューとしては、光学ドライブにBDXL対応ブルーレイディスクドライブかDVDスーパーマルチドライブを選べるほか、無線通信機能としてIEEE 802.11a/b/g/n/ac+Bluetooth 4.0+HSを追加できる。またプリインストールソフトとしてOffice Home and Business PremiumかOffice Personal Premiumを追加可能だ。
作業効率を重視するならマルチディスプレー環境がおすすめ
「ESPRIMO WD2/S」には周辺機器のオプションとして、3種類の純正液晶ディスプレーが用意されている。もっとも安価なのは20型で1600×900ドットの「VL-20WB2S」だが、作業効率を考えるなら21.5型で1920×1080ドットの「VL-220ST1G」や、24型で1920×1200ドット対応の「VL-244SSW3」を選びたい。ちなみに21.5型の「VL-220ST1G」は2014年秋冬モデルから新たに追加された液晶ディスプレーで、タッチ操作に対応している点が特徴だ。
複数のソフトを同時に使う機会が多いなら、複数のディスプレーを使った「マルチディスプレー」環境をおすすめしたい。PDFやWebページの資料を確認しながらオフィスで文書を作ったり、写真や画像を表示しながら3Dのモデリング作業を行なうなど、一度に表示できる情報量が増えることで作業効率が大幅に向上するはずだ。
外付けGPUにQuadro K620を選んだ場合、もしくは外付けGPUなしの構成なら最大2台の液晶ディスプレーを接続可能。外付けGPUにGeForce GT 635を選んだ場合、もしくは外付けGPUなしでHDMIインターフェースを追加した場合は最大3台の液晶ディスプレーを接続できる。2台の液晶ディスプレーがセットになったメニューも用意されているので、必要に応じて利用しよう。
ワイヤレスマウスやワイヤレスタッチパッドも用意
「ESPRIMO WD2/S」にはUSBキーボードとUSBマウスが標準で付属するが、カスタマイズメニューとしてワイヤレスキーボードとマウスのセットが用意されている。使い勝手はケーブルの取り回しが必要ないワイヤレスタイプのほうが上だ。
また指先のジェスチャーでさまざまな操作を行なえる「ワイヤレスタッチパッド」も便利なので、ぜひ活用したい。
カスタマイズの柔軟性と国内メーカーの安心感
「ESPRIMO WD2/S」の販売価格は最小構成時で8万3160円となっているが、期間限定のクーポンを適用することで18%割り引きの6万8191円から購入できる(2014年12月29日現在、キャンペーンは2015年1月7日まで)。この価格なら、入手しやすいという人も多いのではないだろうか。またタイミングによっては、ストレージやメモリーのオプション価格が半額になるキャンペーンも行なわれている。キャンペーンはたびたび開催されているので、ここぞというタイミングで購入するのもアリだろう。なおクーポンやキャンペーンの内容は時期によって変わることもあるので、購入前に必ず確認していただきたい。
2014年の秋冬モデルはカスタマイズメニューが強化されたことで、よりリーズナブルな構成や、3Dワークステーション向けの構成に仕上げることができるようになった。国内大手メーカー製ということもあり、サポート体制や品質にも安心感がある。長期間使える自分好みのマシンを探している人におすすめしたい。