このページの本文へ

星野リゾートも注目 地方出身のiBeacon企業

2014年11月10日 18時00分更新

盛田 諒(Ryo Morita)/大江戸スタートアップ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 「日本の未来は?」「明るいぞーっ!!」

 会議室に男性たちの声が響きわたる。関東地方のベンチャーによる事業プレゼン大会「全国Startup Day in 関東」(共催:トーマツベンチャーサポート、サムライインキュベート)が8日、埼玉で開かれた。

 ベンチャー企業が審査員と100名ほどの観衆を前に、5分間だけ事業についてプレゼンする。参加企業は10社。創業年数も事業内容もバラバラだ。

 裏原系のNo.1ファッションブロガーが始めたオンラインメディア、コム・デ・ギャルソンのチーフパタンナーが始めた型紙の共有サービス、元自衛官の写真代行販売サービスなどが登場し、ステージを沸かせていた。

 登壇企業の1つ、神奈川のIT企業インフォキューブが手がけているのは位置情報ソリューション。近距離無線通信端末iBeaconを使い、利用者の導線や行動履歴を把握するシステムを開発・提供する。

 もともと同社が手がけてきたウェブ行動履歴の可視化技術が強み。星野リゾートではホテルの掃除やシーツ交換など従業員の作業導線を把握するため、同社技術を試験導入しているという。

 日本国内でデパートのような商業施設がiBeaconを導入しても、一般客の同意を得られず失敗している例は多い。当面は製造業やサービス業の作業導線改善がメインになるだろうと同社では考えている。

 プレゼンのグランプリとして表彰されたのは埼玉県松伏町のテコ社だ。

 電動バイク、LPガスとのハイブリッドバイクを配達業者向けに販売している。災害時に素早く事業を復旧するための事業継続計画(BCP)の一環として、読売・朝日・中日各紙の新聞配達に採用されているそうだ。

 「業務バイクの保有台数は国内36万台、海外は100倍以上。2020年をめどに海外展開し、上場を目指して頑張りたい」(テコ代表 西下崇史社長)

 地方の中小企業のほとんどは自治体が顧客で9割が赤字といわれる。インターネットで拡大しやすいビジネスモデルを武器に地元依存を脱し、全国そして世界に事業を展開していくのは中小経営者の夢だ。

 東京は米国のビジネスモデルを参考にビジネスを展開するベンチャー企業も多いが、地方には地元ならではのニーズから事業を展開し、全国あるいは世界に規模を拡大していける強みがある。

 地方企業でも世界規模でシェアを獲得する部材メーカーや化学企業はある。安倍首相も地方創生を政策に掲げ、地方に追い風の気配だ。全国に点在するスタートアップの灯は、日本を明るく照らせるか。


カテゴリートップへ

ピックアップ