矢野経済研究所は10日、小売価格ベースで電子書籍の市場規模を調査・発表した。電子新聞および教科書、学術図書を除く電子書籍市場規模は、2013年度に850億円となった。前年比19.7%増で市場は拡大している。
このうち、雑誌は40億円、読み物(小説・文学、ビジネス書、実用書など)は160億円であるのに対し、コミックは650億円と市場全体の4分の3を占めた。
14年度の予測では、市場全体が1千億円を超える1050億円で前年比23.5%増とさらに拡大。内訳として、雑誌は前年比50%増の60億円、読み物は前年比68.7%増の270億円、コミックは前年比10.7%増を記録するという。市場全体に占めるコミックの割合は68.5%だ。拡大の勢いこそ他に圧倒されつつあるが、市場の主役はコミックだと言える。
今後、市場をけん引していくのはコミックから読み物へと変わる。17年度は市場全体が1910億円と2千億円に迫る勢いで、内訳は、コミックの930億円に対して読み物は870億円にまで迫ると予測されている。ジャンルの興亡はみられるものの、電子書籍市場そのものは右肩上がりで大きく成長していく。関連ビジネスもチャンスが広がりそうだ。