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調剤薬局にも影響、一般医薬品のネット通販で変わる薬局

2014年06月30日 05時03分更新

文● 加藤 宏之(HEW)/アスキークラウド

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 医師の処方箋に基づき、薬剤師が調剤して提供する医療用医薬品(処方薬)に対して、誰もが入手できる市販の一般用医薬品。この医療用医薬品を取り扱う調剤薬局と、一般用医薬品を中心とする一般薬局のすみわけがなくなろうとしている。キーワードはネット通販だ。

 規制緩和が進み、ネット販売される一般用医薬品の品目が徐々に増えてくると、一般用医薬品のネット販売への参入が相次いだ。6月12日に改正薬事法が施行され、一部をのぞきほとんどの一般用医薬品がネット販売解禁となった。すると、いわゆるドラッグストアチェーンはもちろん、既存の大手ネット通販サイトが取り扱い品目を一般用医薬品に広げるなど、一般用医薬品のネット販売は競争が激しくなってきた。

 この競争に、一般用医薬品の販売とすみわけがなされているはずの調剤薬局も加わろうとしている。調剤薬局は医薬分業から院外処方箋により需要が高まっているが、一方では調剤薬局数が乱立ぎみで、大手資本も参入するなど、市場は厳しい競争にさらされつつある。

「アポセレクト」トップページ
「アポセレクト」トップページ

 たとえば、日本全国に500店舗近くの調剤薬局を展開する日本調剤は、2月に通販サイト「アポセレクト」を開設。一般用医薬品をはじめ医薬部外品、化粧品、スキンケア商品、特定保健用食品、健康食品、生活日用品などのネット販売に参入した。ネット上で商品を選んで注文し、最寄りの日本調剤薬局で受け取るのが基本で、他のネット通販とはスタイルがやや異なるが、受取時に薬局常駐の薬剤師から商品説明や使用上の注意などを受けられるのが大きな特徴。他の通販サイトにはない、調剤薬局ならではの強みを活かしている。医薬品販売は大競争時代を迎えた。

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