弥生が2月4に発表した「個人事業者の確定申告に関する調査」と、続く3月7日に発表した「個人事業者の確定申告に関する調査 第2弾」から見る、青色申告者と白色申告者のイメージと実際のギャップ。第1回の「税務調査と記帳の実態」、第2回の「白色申告者が青色申告にしない理由」に続き、第3回は「白色申告者が青色申告にしない理由」だ。
白色申告者の約7割は青色申告への移行を考えていない
2014年から始まる白色申告の記帳義務化は、白色申告者に何らかの影響を与えているのか。白色申告者を対象に、来年からの申告方法を変更する予定があるかを調査したところ、68%が「変更する予定はない(白色申告のまま)」だったという。この理由について弥生では、2014年からの白色申告の記帳義務化について「知らなかった」の回答が64%を占めていたことから、まだ認知していない大半が現状の申告方法を変える必要性を感じていないのかもしれないとしている。
約7割の白色申告者は、開業時に青色申告にするかアドバイスを受けていない
そもそも、個人事業者やフリーランスになる際、どのようにして確定申告の方法を決めたのか。調査結果によると、青色申告者の約半数が、友人や会計事務所など、外部から何らかのアドバイスを参考にしていた。
これに対し白色申告者は、「自分で調べて決めた(人のアドバイスは受けていない)」という回答が58.4%と過半数を上回っていたという。「特に何も考えていなかった(13.6%)」層と合わせると、7割以上が外部のアドバイスを受けずに決めていることになったとのことだ。
白色申告者の約6割は青色申告のメリットを知らない
上記の通り、白色申告者の7割以上がアドバイスを受けずに自分で白色申告を選んでいることがわかった。では、白色申告者は、申告方法の違いや税制上のメリットなどを含め理解しているのか。
結果、青色申告を十分知っている層と、メリットを知らない層に二極化したという。“青色申告について十分理解している白色申告者“は37%。一方で、約6割はほとんど何も知らない(「青色申告の名前は知っているが、白色申告との違いがわからない(29%)」、「青色申告の名前と帳簿の種類は知っているが、各特典の違いはわからない」(27%)と「何も知らない(7%)」)という結果だったのだ。
調査概要
調査機関:株式会社マクロミル
回答者:確定申告実施者(青色、白色)
有効回答数:412サンプル(青色申告/白色申告各206サンプル)
調査期間:2013年12月16-17日
調査手法:インターネット調査
調査内容:税務調査経験、記帳方法、税務申告方法、売上、事業年数、収入 など
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弥生「個人事業者の確定申告に関する調査」レポート(目次)