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綺麗な写真程度ではGoogle+を救えない

2014年05月23日 07時00分更新

Selena Larson via ReadWrite

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Google+で写真を保存・共有するための新機能「Google+ Stories」が登場した。だが、Google+を改善するのに必要なのはこんなオシャレ機能ではない。

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Google+は、ユーザーを増やそうと必死だ。グーグルは今週、このソーシャル・ネットワークの差別化を図るため、ユーザーの写真をより魅力的に、もっと魅力的に、とにかく魅力的に!してくれる新たな機能、「Google+ Stories」を発表した

この機能は、ユーザーの写真コレクションの中から自動的にベスト・ショットだけを選び、日付や場所、ランドマークなどの情報を使って整理されたオンライン・フォトブックを作ってくれる。

これは、元々評判がいいグーグルの写真プロダクトの最新機能だ。恐らくGoogle+の一番いいところは、この写真に関する部分だろう。

だがこれで、ユーザーがFacebookやInstagramよりもGoogle+の写真機能を使うようになるかどうかはまた別の話だ。

今回の発表は、Google+のリーダーであったヴィック・ガンドトラの退社からわずか数週間後になされたものだ。ガンドトラはMapsやAndroidなど社内の他のグループの仕事も見ていたが、彼が突然退社したことによって、Google+のプロダクトグループ自体が解散するのではと噂されている。

ある情報筋がReadWriteに伝えたところによると、Google+の写真機能はカメラ・ソフトウェアを作るチームとの連携強化のためにAndroidグループへと移籍する可能性があるという(これに関してグーグルはコメント控えている)。

「最良の写真置き場」はグーグルか?

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新しい機能が追加されても、組織や担当が変わっても、Google+の抱えている根本的な問題は解決されない。ユーザーが写真をアップロードするのは、友達や家族と自分の日々の生活を簡単に共有するためだ。ユーザーが共有したいと思うような写真は、日常の瞬間を切り取ったスナップ写真なのである。

人々は友人や家族と写真を共有する時にはFacebookを使い、世界に向けて写真を共有するときにはInstagramを使う。そこに、それぞれの写真を共有したい相手がいるからだ。

グーグルはまだ、ユーザーが写真を「誰に」共有したいのかを理解できていない。代わりに、いかに写真や動画を綺麗に見せられるかにこだわっている。だが、いくら写真を綺麗に仕上げたとしても、誰もそれを見てくれなければ全く意味がないのだ。

グーグルはGoogle+をソーシャル・ネットワークとは呼びたくないと考えている。Facebook、Twitter、Instagram、その他の成功しているソーシャル製品と比較されると厄介だからだ。グーグルは代わりにGoogle+を、全てのグーグル・サービスに共通したユーザーIDの管理手段だと位置づけている。

この位置づけがGoogle+を、写真をアップロードする場所としてユーザーに認識させることの妨げになってしまっている。Google+を使うことによってグーグルのサーバーは確実に、ユーザーの個人情報をより多く集められるようになる。だが、我々ユーザー側にしてみれば、自分を誰かに見つけてもらう助けになるとはあまり思えない。つまり、現実世界の人々と写真を共有するために、FacebookやInstagramの代わりにGoogle+に写真をアップロードする理由が見当たらないのである。

Android4.4との連携が強化されているため、確かにAndroidユーザーであればGoogle+を好むかもしれない。Androidでは写真アプリから直接Google+ハイライトのフォルダへアクセスできるし、カメラアプリもGoogle+の写真機能と連携している。しかし、Google+に保存された写真を他のソーシャル・ネットワークにシェアするのは意外と面倒だ。

グーグルの写真機能自体はFacebookよりもはるかに優れており、ユーザーが切り取った瞬間を写真として保存、編集するための素晴らしい方法が提供されている。しかしそれを友達が見てくれるという保証はない。もし見つけてくれる可能性があったとしても、その写真がプライベートに設定されていた場合は、友達もGoogle+アカウントを持っていなければ写真を見たり共有したりすることはできないのだ。

グーグルらしいといえばそれまでだが、彼らはまたもや、技術的には人々の需要をはるかに上回るほど素晴らしいが、論理的には欠陥のある商品を作り上げてしまった。

今回追加された「Google+ Stories」や他の「おまかせビジュアル」等の機能を使うためには、まずすべての写真をGoogle+にバックアップしなければならない。グーグルは自動アップロード機能をオンにしておくことを勧めており、この場合撮影したすべての写真がGoogle+アカウントのプライベートアルバムに登録される。次にグーグルはそれらの写真をスキャンして、不明瞭な写真を除去し、最もよく撮れたものだけを選んでくれる。ユーザーはそれをアルバムとして編集・公開することができるのだ。

新しいGoogle+ Stories機能は、現在Androidとウェブサイトで利用可能で、まもなくiOSもサポートされる予定だ。

Google+を救うことはできるか

今やGoogle+を避けて通るのは不可能だ。Gmailを使う、YouTubeにコメントを残す、Hangoutでチャットをする。これらすべてにGoogle+アカウントが必要になる。その結果、Google+のアカウントを持っている人の数に比べて、ソーシャル・ネットワークとしてのGoogle+サービスを実際に利用している人の数は恐らく圧倒的に少ないだろう。また実際利用している人の中でも、グーグルの商品設計上仕方なく利用しているケースが少なくない。

関連記事:Google+を避けて通る道はあるのか

グーグルもついにこの状況を認めざるを得なくなったようだ。近く開催される次のGoogleI/Oデベロッパー・カンファレンスにおいて、グーグルはGoogle+を強調していない

Google+がソーシャル・ネットワークとして人気を集めるためには、乗り越えなくてはならないいくつかの課題がある。まず、Gmailアカウント毎に別のGoogle+アカウントが存在し、それらのアカウントを統合する手段がないという問題がある。つまりグーグルは、Googleサービス全体を統括するユーザーIDの管理という中核機能すら実現できていないということになる。これでは現時点でのGoogle+は失敗だと言わざるを得ない(友人や家族に自分の写真を全て見せるために、自分のアカウントが複数存在することを説明するのがいかに面倒であるかを想像してみてほしい)。

Google+がより一般に普及するためにグーグルは、まずそれがなんであるかをきちんと定義するべきだ。自分の美しい写真を友人や家族と共有するためのソーシャル・ネットワークなのか。あるいは人とのネットワークを広げるためのオンライン・プロフィールなのか。あるいは、あまりにも多くの機能を付け過ぎて、成長し過ぎてしまっただけのアカウント切り替え機能なのか?

ガンドトラが去ったことによって、Google+の未来は全く見えなくなってしまった。この「それほどソーシャルでない」ソーシャル・ネットワークを、どういう目的でどのように使うべきかをグーグル自身がユーザーに説明できない限り、ユーザーはそれを自分のデジタルライフに必須のツールではなく、不要で邪魔な機能だと見なし続けるだろう。

その未来図は今のところ、「Google+ Stories」が生み出す写真ほどには美しくないようだ。

トップ画像:Google

Selena Larson
[原文]


※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら


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