台湾にも展開予定
「忘却のパンドラスフィア」は、対戦型カードゲームでチーム戦が基本。女神「パンドラ」を守る戦いが、30分間の緊迫したリアルタイムバトルとして展開される。このように集団同士が戦う形式のソーシャルゲームでは、プレーヤーの数がネズミ算的に増え、サーバーの負荷が一気に跳ね上がることを想定しなければならない。
「例えば、1日4億リクエストのアクセスがインフラに発生するとして、毎秒5000件の処理になります。1秒以内に5000の処理をきれいに片付ける余力がないと、あっと言う間にシステムがダウンする。だからこそ、クラウドのダイナミックなスケーラビリティーが必須です」と、廣瀬氏は強調する。
廣瀬氏によれば、今回のゲームではプログラムだけでなく、演出、音響などのユーザーインターフェースの部分でも、他ではあまり使われることのない技術を多数採用しており、コンテンツの表現力を高めているという。さらに配信する「ソーシャルプラットホーム」に依存しない点も、「忘却のパンドラスフィア」の技術的な特徴の一つだ。日本では、サイバーエージェントとの契約によりアメーバ上でのみコンテンツを提供する。ただし、海外は適用外なので、台湾などアジア圏でのパンドラスフィアの展開を予定しているという。
ビジネスとクラウドに精通した2人のプロフェッショナルと、若き才能たち――それぞれの誇りと夢、そして女神を乗せて、今もアジュールは走り続けている。
(本記事はアスキークラウド2014年5月号に掲載されたものです。本文中の数字や肩書などは本誌掲載時の情報です)