音はもちろんだが、見栄えも現代的な逸品
名門ELACの超小型スピーカー「BS312」を聴く
2014年02月15日 12時00分更新
JET V採用で繊細かつ高密度な情報を
従来モデルからの変更ポイントに関してもいくつか触れよう。
まず特徴的なツィーター部分はJET Vという最新版を搭載している。再生周波数帯域の上限は50kHz。人間の耳は20kHz程度が上限と言われるのでそれを大きく上回るレンジをカバーする。聞き取れない音をなぜ? と疑問に思う読者もいるだろうが、これは可聴域をより正確に表現するという意味合いで重要だ。また、ハイレゾ音源やSACDはCDの44.1kHzの倍以上のサンプリングレートで記録されており、100kHzを超す高域も収録されている。ハイレゾの情報量を余すところなく、と考えるならスピーカー側の対応も重要だ。
もちろん素材変更や磁気回路の強化、耐入力性能の向上など、高域の歪みにかかわる部分の改善も十分に配慮されている。
ウーファー部はセルロース・パルプとアルミのハイブリッド振動板を使用。宝石のカッティングのように複雑な形状だが、これは強度を高め、余計な振動を減らすための工夫。従来製品より折り目の密度が高まっており、この見た目だけでも改善が加えられているのが感じ取れる。
ケーブルをつなぐターミナル部分は、過去高域用と低域用に別々のスピーカーケーブルを使うバイワイヤー対応のものだったが、BS312ではシンプルなシングルワイヤー対応のものに変わっている。バイワイヤーに興味がない人には接続が複雑になるというデメリットもある(シングルワイヤーで使う場合にはプレートやジャンパーケーブルを用意する必要がある)。ネットワーク回路も強化されており、メリットのほうが多いという判断なのだろう。
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