WQHD対応で21.1時間駆動の「LIFEBOOK SH WS1/M」のモバイル性能を検証する (3/3)

2014年02月14日 11時00分更新

文● 高橋量

増設バッテリーで駆動時間を延長できる

　続いて、LIFEBOOK WS1/Mのバッテリー駆動時間の検証結果について紹介しよう。カタログ上では最大約21.1時間の駆動が可能とされているが、これは電子情報技術産業協会（JEIDA）が定めた「JEITAバッテリ動作時間測定法（Ver.1.0）」に基づく測定結果だ。テストの主な内容はネット非接続の状態で液晶ディスプレイの輝度を落とし、解像度の低いMPEGファイルを再生し続けるというもの。制定されたのは2003年のためあまり現在の利用シーンに則した内容ではないが、国内で販売されているPCの多くがこの基準に従って駆動時間を計測しているため、他機種と比較する際の指標として利用できる。

　実際にマシンを使う場面を考えると、ネットに接続してウェブを閲覧したり文書を作成するなどの作業が多いだろう。そこで今回は、現実的な利用状況を想定して「LIFEBOOK WS1/M」のバッテリー駆動時間を計測した。バッテリー周りに関係するWindowsの設定内容は以下のとおり。

・電源プランを「省電力」に設定
・画面の輝度を40％に設定
・無線LANをオン、Bluetoothはオフ
・画面の明るさの自動設定をオフ
・音量は50％に設定
・起動済みのソフト、サービスはそのまま

　ベンチマークに利用したソフトは「BBench」。ソフトの設定から60秒ごとのWebサイトへのアクセスと10秒ごとのキー入力エミュレーションを有効にしている。長時間ぶっ続けでWebサイトにアクセスし続けるという状況はあまりないかもしれないが、「JEITAバッテリ動作時間測定法（Ver.1.0）」と比べて実際の利用スタイルに近づいているはずだ。

　テストの結果、本体内蔵のバッテリーのみを利用した状態で8時間59分でバッテリー残量が5%となり休止状態へ移行した。カタログ上では約21.1時間となっているが、これは前述のとおり特殊な条件下で測定した結果である。詳細は不明だが画面の明るさを0%にしたり、計測には不要なプロセスやサービスを無効にするなど、徹底的な省電チューニングが行なわれていると思われる。実際のところ、ぶっ続けで使ってバッテリーが約9時間もてば十分だ。

　増設用バッテリーを装着した状態でも同様のテストを行なったところ、13時間25分という結果となった。カタログ上ではバッテリー駆動時間が21.1時間から28.1時間に延長されるとなっているが、実際の測定では4時間26分である。ただしこれもマシンを酷使した状況での結果であり、チューニングを施したりネットへのアクセスを控えめにすれば駆動時間は延長されるだろう。

内蔵バッテリーと増設バッテリー使用時の駆動時間の推移

モバイルマシンでありながら高性能で拡張性も高い

　今回は「LIFEBOOK WS1/M」の持ち運びやすさと現実的なバッテリー駆動時間を検証したわけだが、モバイル性能についてだけ見ればまずまずの結果と言えるだろう。タブレットやUltrabookの中にはより軽くてバッテリー駆動時間の長いモデルもあるが、基本性能がいまひとつ低かったり、光学式ドライブを搭載していないものが多い。「持ち歩けるフルスペックノート」という点こそが、「LIFEBOOK WS1/M」の最大の武器ではないだろうか。