ソニーの『MDR-10』シリーズ全機種を、同社の高音質ポータブルヘッドホンアンプ『PHA-2』を用いて、ざっくり試聴してみた。
MDR-10は2013年10月末に発売されたオーバーヘッド型ヘッドホンの新シリーズ。上位シリーズ『MDR-1』のテイストを受け継ぎながら、広いユーザーに受け入れられるよう低価格化を図ったもので、主にスマートフォンでのモバイルリスニングを前提として、軽さや携帯性を重視したデザインになっている。
バリエーションは4モデル。シンプルで高音質な基本モデルの『MDR-10R』、ノイズキャンセリングモデルの『MDR-10NC』、Bluetoothモデルの『MDR-10BT』、そして上位シリーズにはない携帯性重視のオンイヤー型『MDR-10RC』が用意される。
MDR-10RCを除けば、ハウジングを回転させて畳むスイーベル機構など、基本的なパーツは共通。外観上の差異は、ハウジング外周のスイッチや端子の違いくらいしかない。通気孔を設けて振動抵抗を制御する「ビートレスポンスコントロール」や、立体縫製したイヤーパッドの「エンフォールディングストラクチャー」といった上位シリーズの特徴も受け継いでいる。
開発はMDR-1シリーズと同様、ソニー・ミュージックエンタテインメントとの協業によるものとされ、シリーズ共通の専用40mm「HDドライバーユニット」が与えられる。このユニットには MDR-1シリーズのような液晶ポリマーフィルム振動板こそ与えられないが、5Hz~40kHzの再生が可能なハイレゾ対応であるとし、ソニー社内の聴感検査をクリアした「Hi-Res AUDIO」ロゴも付与される(ただしMDR-10RNCは音声信号がDSPを通るためハイレゾ非対応、BluetoothモデルのMDR-10RBTは有線接続時のみハイレゾ対応となる)。