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AQUOSシリーズ初、4Kテレビ「AQUOS UD1」が登場

2013年05月21日 23時00分更新

文● 大河原克行

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 シャープは、4K対応液晶テレビ「AQUOS UD1」シリーズを発売する。ラインナップは、70型「LC-70UD1」と60型「LC-60UD1」の2機種。LC-70UD1が2013年6月15日から発売し、市場想定価格は約85万円。LC-60UD1は8月10日の発売で、市場想定価格は約65万円。当初月産台数は2000台を計画している。

70型「LC-70UD1」

 同社では、4Kテレビとしてホームシアター向けのプレミアムモデル「ICC PURIOS」を2013年2月から発売しているが、今回の新製品は、AQUOSのブランドを冠した初の4K対応モデルとなり、「リビング用テレビとしての画質や音質にこだわった製品。リビングルームのフラッグシップモデルとして、幅広いユーザーに提供するという点でICC PURIOSとは異なる。

 また、従来のAQUOSシリーズと比べると、量販店店頭において、これまでのように画面の明るさを重視した展示ではなく、「4Kならではのリアル感にこだわっていく」(シャープ デジタル情報家電事業本部液晶デジタルシステム第一事業部・戸祭正信事業部長)などとし、「ICC PURIOSおよびAQUOSで培ったパネル技術を惜しみなく投入したAQUOSの新シリーズになる」と位置づけた。

「ICC PURIOSおよびAQUOSで培ったパネル技術を惜しみなく投入したAQUOSの新シリーズ」をうたう

 AQUOSとしては初の4K対応テレビとなるAQUOS UD1シリーズは、「高画質、高音質、新用途提案、テレビとしての基本機能の充実という4つの特徴を備える」と、シャープ デジタル情報家電事業本部液晶デジタルシステム第一事業部第一商品企画部・指出実部長は語る。

シャープ デジタル情報家電事業本部液晶デジタルシステム第一事業部・戸祭正信事業部長

シャープ デジタル情報家電事業本部液晶デジタルシステム第一事業部第一商品企画部・指出実部長

4つの特徴として、「高画質、高音質、新用途提案、テレビとしての基本機能の充実」を挙げた

 高画質では、フルHD(約207万画素/1920×1080)の4倍の高精細度を実現する約829万(3840×2160)画素の液晶パネルを採用。さらに、低反射と高コントラスト性能を両立するモスアイパネル技術を搭載。「被写体の細かなディテールまで描くほか、リアルな現実感を感じる解像度を実現。高い輝度均一性によって、画面の隅々まで正確な信号再現が可能になる」(指出部長)という。

約829万(3840×2160)画素の液晶パネル、低反射と高コントラスト性能を両立するモスアイパネル技術を採用

 2K映像を高画質化する「2Kデュアルコア高画質化回路」と、2K映像を高精細画像に変換する「2K→4K高精細化回路」を搭載したAQUOS 4K-Master Engine PROによって、地上デジタル放送やBlu-ray Discなどの2K入力映像のディテールを適切に復元し、4K変換して、質感、立体感を再現。臨場感を感じる映像を作り出せるという。

2K映像を高画質化する「2Kデュアルコア高画質化回路」と、2K映像を高精細画像に変換する「2K→4K高精細化回路」を搭載したAQUOS 4K-Master Engine PRO

 また、70型のLC-70UD1では、「THX 4Kディスプレイ」規格の認証を取得。「映画監督が意図する映像を忠実に再現できる」(指出部長)とした。

「THX 4Kディスプレイ」規格の認証を取得

 高音質では、3Way6スピーカーによる「2.1chフロントサウンド音声システム」を搭載。中高域音声用のユニットを前向きに配置するともに、テレビ本体と独立したボックス構造のスピーカーを採用。開口率の高い金属製のパンチングネットを採用することで、省スペース設置を可能とするアンダースピーカー構造でありながら、クリアで音抜けがいい、高音質を実現。また、低振動ウーハーとして「DuoBass」も採用。共振を防ぎ、力強い低音再生を可能としている。

「2.1chフロントサウンド音声システム」

 「2.1chフロントサウンドスピーカーの採用によって、省スペース設計が可能となっている。これにより、2005年12月に発売したサイドスピーカーを搭載した57型液晶テレビの165.2cmの横幅に対して、70型のLC-70UD1では157.8mmの横幅であり、同じスペースに10インチ以上大きなテレビを設置できる」(戸祭事業部長)などとした。

2.1chフロントサウンドスピーカーの採用によって、省スペースを実現

 新用途提案では、デジタルカメラで撮影した写真を、身近な4Kコンテンツと位置づけ、「かんたん4Kフォトフレーム」によって、デジタルカメラで撮影した写真を簡単にテレビに読み込ませる提案を行なう。また、13点の高精細素材をあらかじめプリインストールしており、4K写真の精細感をすぐに体験できるようにしたという。

「かんたん4Kフォトフレーム」

13点の高精細素材をプリインストールしており、4K写真の精細感をすぐに体験できる

 さらに、リモコンに搭載したスライドショーボタンで、フォトフレーム機能を簡単な操作で開始できるようにした。

リモコンに搭載したスライドショーボタンで、フォトフレーム機能を簡単な操作で開始できる

 一方で、テレビの基本の充実としては、「HDMI 3840×2160 30Hz入力対応端子」を4基搭載したほか、テレビとネットの情報を一覧表示できるビジュアルモーションガイドの搭載、地上デジタル放送3チューナーの搭載、スマートファミリンクの搭載など、AQUOSブランドならではの機能を採用したという。

「HDMI 3840×2160 30Hz入力対応端子」を4基搭載。DLNAサーバー機能、Wi-Fiなども利用可能だ

 戸祭部長は、「国内薄型テレビ市場は、アナログ停波に伴う買い換え需要の反動で低迷していたが、徐々に安定的な成長に入ってきた。その中でも注目を集めているのが大画面テレビ。50型以上の製品が金額ベースで約20%の市場構成比となっている。だが、大画面テレビの普及には、大画面になるほど画素の粗さが目立つ、外光の反射が気になる、設置スペースに困るという、3つの課題が出てくる。AQUOS UD1シリーズは、こうした課題を解決するものになる。大画面と高精細をキーワードに、来年にかけて急拡大する4K対応テレビ市場において、その中心的役割を担っていきたい」と意欲をみせた。


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