マウスコンピューター 小松社長×週刊アスキー編集長 宮野 スペシャル対談

ボクらのPC15年史

文●みきーる 撮影●岡田清孝

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ウィンドウズ95発売を機にオリジナルPC販売開始

「MASTERPIECE」シリーズ

【ピックアップ】G-Tuneのフラッグシップシリーズだっ!

MASTERPIECEシリーズ。「Abeeさんとのコラボ版はケースもカッコイイ!」(宮野編集長)

宮野 そのオリジナルのパソコンをつくられたのは、何年くらいからになりますか?

小松 '96年あたりでしょうか。

宮野 なるほど。ウィンドウズ95契機なんですね。週刊アスキーは'97年創刊なので、じゃあその前からスタートされて。マウスコンピューターさんにとって、モットーや開発の柱というのはどんなことでしょう?

小松 やはり、いろんな意味でお客さまにお買い求めいただきやすい製品をつくること。そこがいちばんだと思っています。たとえば、セカンドマシンとか、買い増しでお探しのお客さまは、自分がどういう用途でどうパソコンを使いたいか、だいたいわかっておられますよね。なんでもかんでも付いていなくていいし、シンプルで使い勝手のいいパソコンのニーズが出てきたんです。そこに向けて、本当にパソコンの基本的な機能に特化したパソコンをBTOでつくってみたというのが、当初の製品開発の始まりですね。

宮野 極めて自作PC的ですね。

小松 そうしてユーザーの裾野が広がってくるにつれ、たとえば「もっと手厚いサポートがほしい」というお客さまのために24時間365日対応のサポート体制をつくったり、製品の品質だけでなくサービス面でも安心してお使いいただけるように努力してきました。

宮野 そして、ゲーム好きのハイエンドユーザーに向けたG-Tuneとか、おもしろいパソコンもつくっていると。

小松 はい。G‐Tuneのように、ちょっととんがったブランドも展開しています(笑)。ハイエンドユーザーのかたは、最新技術を導入したマシンをいち早く体験したいという思いをおもちですし。

宮野 グラフィックチップも、発表直後に搭載機を出される。

小松 毎年毎年、新しいグラフィックチップのアーキテクチャーが出てきますから。'04'05年くらいからですかね、1年更新くらいでGPUとかチップセットのアーキテクチャーもどんどん変わるようになってきました。

宮野 マウスさんからのリリースメールが、インテルさんの発表とほぼ同時に来たりしますからね。え、もう販売ですか?って(笑)。あの早さはすごいです。

小松 はい、スピード感は大切にしています(笑)。

宮野 実際、製品を買われるお客さまのプロファイルの変遷というのはありますか? たとえば、最初はとがってたお客さんが多かったけれど、いまははじめて来たお客さまが、いきなりハイエンドパソコンを買っていく、とか。

小松 私どものお客さまの中心となるご年代は、あまり大きく変わっていないのかな、という気はしています。ただ、逆に昔から使ってくださっているユーザーさんがそのまま上がっていっておられますので、ある意味、上のほうに裾野が広がっているイメージでしょうか。

宮野 そっちですか。はじめにパソコンを買って、だんだん上達していって……。

小松 当時20代でパソコンを買われたかたが、いまは30代になられて、より性能の高いものをお求めになります。

宮野 ハイエンドユーザー向けの“ G‐Tune”は、もとは、“Tune”でしたよね。ブランドの位置づけの変化があったんですか?

小松 基本的には変わっていないんですけど、カラーに黒い要素は加わったかなと(笑)。それで、ゲームを意識してゲーミングチューンズ……G‐Tuneとなったんです。

宮野 “G”はゲームのGだったんですね。じゃあ、Tuneシリーズ自体は、とくにゲーミングを意識したブランドじゃなかったと。

小松 どちらかといえばハイエンドパソコン、みたいな位置づけだったんですけどね。ボディーがほとんどアイボリーだったことから、デザイン的にもちょっと飛び出たものを提案したいと思いました。シルバーの前面化粧板を使い始めたのって、ウチが最初かもしれません。

宮野 シルバー&ブラックで。

小松 昔はアイボリーのEasyっていうのがあったんですけど、そちらは“LUV MACHINES”というブランド名に変えたんですよ。

「Easy-CUBE51」

心に残る“胸アツ”の1台
Easy-CUBE51(2002年)

「いまでも、“またCubeをつくってください”というリクエストをいただく、印象深い1台です。ドラマのセットなどに使っていただいたこともあるんですよ。今後も、ああいう印象深いパソコンを提案していきたいですね」