最新mSATA SSDの性能を活かすには
マザーボードが重要になる
1回目の最後は、mSATA SSDの利用環境だ。2012年11月のNUCデビュー時こそ選択肢の少なかったmSATA SSDだが、うれしいことに売れ筋の2.5インチSSDと同クラスのスペックを備える6Gbps対応製品が続々と登場している。
この機会にケーブル接続不要のmSATA SSDで、省スペース&爆速システムドライブのマシンを組もうと考えている自作ユーザーも多いことだろう。しかし、ここで重要になるのがmSATAスロットの対応転送速度だ。高速性がウリのSSD用なので、当然6GbpsのSATA3動作と思われがちだが、元々がISRTのキャッシュ向けだったためか、3GbpsのSATA2接続になる製品がほとんどだったりする。
アキバの各ショップを巡って、店員に聞いたり探したりしたが、インテルのプラットフォームで6Gbpsに対応するのは、インテル製ベアボーンの「BOXDC3217BY」や「BOXDCCP847DYE」などに搭載されているNUCフォームファクターのマザーボードのみ。
現状、NUC以外では6Gbps対応mSATA SSDの本来の性能を引き出せないことになるが、HDDに比べれば、SATA2接続の限界となる250~280MB/s前後でも十分高速といえるので、システムドライブをmSATA SSDにするのはアリだ。
ちなみに、AMDプラットフォームでも探したが、そもそものmSATA/フルサイズMini PCI Expressスロットを備えるマザーボードが見当たらない……。mSATAやMini PCI Expressを利用するMini-ITX系が少ないので、仕方のないところだろう。
そんななか、どうにか見つけたのが、SAPPHIREの「AMD A85X」採用ATXマザーボードの「Pure Platinum A85X(PT-F2A85XT)」だ。SATAポートがすべて6GbpsのSATA3になるAMD A85Xチップセットだけあって、mSATAスロットもSATA3動作だ。ATXなのが残念だが、Socket FM2での自作を考えている人は注目だ。
なお、mSATA SSDによる軽量、小型化や低消費電力化を目指したノートPCやUltrabookも内部はSATA2接続のことが多々あるので注意したいところだ。
mSATA SSDを使った構成を考えるのも楽しい
mSATA SSDの基本ならびに対応状況を確認してきた。6Gbps対応mSATA SSDの最大性能を得るには、NUCベアボーンやマザーボードを利用する必要があるのは残念だが、ドライブベイ不要や面倒なケーブル配線、取り回しは必要なしと、mSATA SSDが省スペース自作に魅力的なのは変わらない。
NUCで組んでmSATA SSDの爆速を体感するか。高性能、省電力CPUを搭載しつつ、省スペースにこだわったマシンをMini-ITXやThin Mini-ITXで組むか。自分だけのマシン構成を考える楽しさを、この機会にじっくり満喫してみよう。
なお、開発コードネーム“Haswell”(ハスウェル)こと「第4世代Core」向けチップセット「Intel 8」シリーズ搭載のマザーボードでは、SATA3ポートが増えると思われるので、大いに期待したいところだ。
mSATA SSDが理解できたところで、次回は売れ筋mSATA SSD 4製品の紹介だ。もちろん、気になる6Gbps接続時の性能はNUCベアボーンで計測する。
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