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最新スマホも続々登場! Mobile World Congress 2013レポ ― 第20回

第3のOSの争いが本格化

Ubuntuスマホは2014年Q1登場予定 「Firefox OSと戦う!」

2013年03月03日 15時00分更新

文● 末岡洋子

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 UbuntuといえばLinuxのデスクトップ用ディストリビューションの代表格だ。そのUbuntuがスマートフォン向けに形を変えて登場する。モバイルが主役となる時代に向けて大胆に戦略を進めているCanonicalのCEO、Jane Silber氏、そしてデザインを統括するIvo Weevers氏にMobile World Congress 2013」の会場で話を聞いた。

CanonicalのCEO、Jane Silber氏。創業者のMark Shuttleworth氏から引き継ぎ、2010年にCEOに就任

Ubuntuスマートフォンは2014年に登場
エントリーからハイエンドまでをすべてカバー

――Ubuntuをスマートフォンやタブレットに拡大させる戦略を打ち出しています。まだオペレーターやOEMとの提携は発表していませんが、製品登場はいつの予定ですか? ターゲットの価格帯は?

Silber Ubuntuスマートフォンは2014年第1四半期に市場に登場する予想だ。現在オペレーター、OEMなどとかなり進んだ話をしているところだ。

MWC直前にタブレット用バージョンが公開された

 エントリー向けからハイエンドの“スーパーフォン”まで、全セグメントをターゲットにしている。最初に登場するのはエントリー向けになりそうだ。

――Firefox OS、Tizen、Jollaと新しいモバイルOSが生まれていますが、Ubuntuのチャンスをどのように見ていますか? 

Silber われわれは、明確なモバイルのビジョンを持っている。デスクトップは変わりつつあり、デスクトップの将来はモバイルだと考えている。その構想のもとでUbuntuをさまざまなフォームファクタでちゃんと動くように設計した。

 スマホをパネルにドッキングするとタブレットに、画面とキーボードにドッキングするとPCになる。背景では、ソフトウェアがデバイスの種類を検出してふるまいを変える。これは、われわれがデスクトップOSを持っているからできることで、Ubuntuしか実現していない。2013年内にコードをPC、スマホとすべて同じにする計画だ。同じコードなので、ローエンドのハードウェアでもハイエンドなユーザー体験を提供できる。

PC、スマホ、タブレットで同じコアを採用、名称も「Ubuntu」に統一する

 ユーザーインターフェースも特徴的で、かなりの時間をかけて磨き上げた。画面の端からスワイプするEdgeによるマルチタスク操作などは独特だと自負している。このUIも一貫性のある方法でスマホ、タブレット、デスクトップで動く。

スマホ側でEdgeをつかってアプリを起動

 アプリ側では、HTML5とネイティブを同じように扱う。たとえばFirefox OSとは土台から異なる。Firefox OSはHTML5のみだが、我々はHTML5だけでは不十分と考えている。

 モバイルで持つビジョン、UI、HTML5とネイティブの両方のアプリ、これらが組み合わさり、他のOSをはるかにしのぐユーザー体験を提供する。

タブレットではPCに近い感覚で操作できていた

――競合はどのOSと考えていますか?

Silber ローエンドのUbuntuスマホではFirefox OSと戦う。最終的には競合はAndroidになる。

――OEMの中に「顧客が求めているのはAndroid」という声があります。

Silber Androidの普及率は確かに高い。だが、Androidユーザーが本当にAndroidのUIに満足しているかというと、そうでもないように見える。選択肢がないからAndroidを使っているだけで、Androidに強い思い入れはないのではないか。我々は強い思い入れを感じてもらうスマホを作る。

Androidは本当にユーザーに愛されているのか?
Ubuntuはユーザーに愛着を持たれるUIを目指す

――どうやってモバイルでのUbuntuの認知度を上げていく戦略ですか?

Silber まずOEMに採用してもらう、ユーザーに手に取ってもらうことは課題だ。そのためには、必要な機能が入っていてちゃんと動き、欲しいと思うようなスマホを作っていくのが最低条件になる。ユーザーが愛着を感じるUIは、特に重要だと思っている。

――UIについては慣れ親しんだものを使い続けたい、新しい操作法を学ぶのは面倒くさいなどの障害もあるのでは? Windows PhoneのUIは斬新ですが、受け入れられるのに時間がかかっています。

Silber 潜在ユーザーに入念なユーザビリティーテストを行なった。確かに新しい使い方を学ばなければならないが、学習曲線はそれほど難しくなく、自然に使えるようになった。Ubuntuスマホでは、最初に電源を入れたときに使い方を紹介するガイド機能も用意するつもりだ。新しいUIだが、簡単に理解してもらえる自信がある。

――デスクトップPC分野をみると、Ubuntuは長年Windowsに挑戦を続けていますが牙城は崩せていません。デスクトップでの経験から学んだことは?

Silber これまでの経験をデザイン、製品のビジョンなどすべてに反映させている。実は、Ubuntuスマホはエンタープライズ(法人分野)から高い関心をもらっている。従業員にスマホを渡し、外出先ではモバイル、会社に来たらPCにドッキングしてシンクライアントにできる。単一のデバイスにすることで簡素化でき、デスクトップのTCO(Total Cost of Ownership)を抑えることができる。

――モバイルではアプリのエコシステムが重要になりますが、アプリ開発をどうやって奨励するのですか? アプリストアの計画についても教えてください。

Weevers 2月22日に開発者プレビューを公開後、たくさんの問い合わせをもらっており関心は高いようだ。アプリの数は多ければよいというものではなく、数千ものアプリが必要とは思っていない。ローンチ時に基本的なアプリを揃え、徐々に増えていくと予想している。

デザイントップのIvo Weevers氏(左)、隣は広報担当のSian Aherne氏

 アプリストアでは、デスクトップのUbuntuですでにアプリストア「Software Centre」を展開しており、ノウハウや仕組みがある。このインフラをモバイルにも利用するが、名称、売上げの配分などについてはまだ未定だ。


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