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最新スマホも続々登場! Mobile World Congress 2013レポ 第26回

Nokiaインタビュー 「スマートフォンでは挑戦者 WP8で再起」

2013年03月16日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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 NokiaがMicrosoftと提携して2年、2012年秋に発表した「Lumia 920」は欧州を中心に評判がよく、Nokia復活の声も聞かれるようになった。スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2013」でNokiaのスマートデバイス事業部Lumia製品マーケティングトップ、Vesa Jutila氏に話を聞いた。

NokiaでLumiaマーケティングトップを務めるJutila氏

フラグシップの「Lumia 920」が好調
ワイヤレス充電に好反応

──フラッグシップの「Lumia 920」が好調です。Lumiaシリーズの戦略は?

Vesa Jutila氏(以下、Jutila) Lumia 920は最も革新的なスマートフォンだという自負がありますし、実際に良いフィードバックをもらっています。

 カメラ、ワイヤレス充電、タッチパネルなど斬新な新機能をたくさん詰め込みました。ワイヤレス充電では、2012年第4四半期にLumia 920を購入した人の80%以上が、トレイやマットなどのワイヤレス充電用アクセサリーも購入しています。AT&TはキャンペーンとしてLumia 920購入者にワイヤレス充電アクセサリーをバンドルしましたが、多くのユーザーが別のアクセサリーをわざわざ再購入したと聞いています。端末を置くだけで充電できる。これは充電に対する「面倒くさい」という意識を変えたようですね。

昨年の9月に発表されたLumiaシリーズのハイエンド「Lumia 920」

 カメラはPureView技術を用いて、手ぶれ補正機能も備えています。ディスプレーも、手袋を付けていても操作できるスーパーセンシティブな「Pure Motion HD+」を搭載しました。

Pure Motion HD+のデモでは、ブースで実際に手袋を付けて操作できることをデモしていた

 このような機能を詰め込むことで、Lumia 920は「モダンなスマートフォン」とはどのようなものなのか、新しいベンチマークを設定したんです。

 製品ポートフォリオとしては、920を頂点に、MWCで発表した「Lumia 720」「Lumia 520」、それにすでに発表している「Lumia 820」と「Lumia 620」とそろえました。戦略としては、920の革新的な機能をその下の価格帯のモデルにも少しずつ採用していく。たとえばミッドレンジの720はスタイリッシュな外観で、920と同じカメラモジュールを搭載。また、コイルが付いた保護カバーを付けることでワイヤレス充電もできます。バッテリーも同じ2000mAhです。これらを詰め込んで、予想価格を249ユーロに抑えました。

Lumia 720のカメラモジュールはハイエンドのLumia 920と同じ

フラグシップモデルがブランドイメージを形成する
スマートフォン市場

──これまではセグメントに合わせて多数のモデルを揃えてきましたが、スマートフォンでは製品展開が変化しており、グローバルモデルに大型のフラッグシップを投入するパターンが増えています。これはNokiaの研究開発にどのように影響していますか?

Jutila Nokiaも大型のフラッグシップを持つアプローチが正しいと信じています。現在のラインナップでは、Lumia 920がこれに相当するでしょう。その理由としては、フラッグシップが、ブランドへのあこがれやイメージを強くし、消費者の関心を引き、さらにメディアが話題にしてくれます。920はこれに成功し、Nokiaはトップブランドとしてスマートフォン分野でカムバックすることができました。

 スマートフォンの消費者は、これまでの携帯電話の購入者とは違って、製品をよく調べています。各ブランドのフラッグシップをチェックしているんです。520など他のLumiaラインを購入する人の多くが920の存在を知っており、そのスペックや機能を調べています。920への関心が他のラインにも浸透していくので、フラッグシップは大切ですね。

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