いい音で音源を楽しむための基本を解説　PCオーディオ入門 第4回

野村ケンジが教えるPCオーディオの基本

佐武宇綺が学ぶ!　スピーカーの違い

ポータブルプレーヤーを使っているだけで すでにPCオーディオを始めている!?

　iPhoneなどで音楽再生をする場合、その楽曲の管理はMacやWindowなどのPCで行うことになります。実はこれ、もうPCオーディオを始めていると同然なんです。あとは「USB DAC」と呼ばれる、外部接続機器を繋げるだけで、PCを使った高音質な音楽再生、いわゆるPCオーディオが完成します。

なぜUSB DACを使う必要があるのか?

　USB DACとは、USBケーブルで接続するオーディオデバイスです。もともとパソコンにはヘッドホン端子やライン出力が付いていて、ヘッドホンやパソコン付属のスピーカーを使えば、ちゃんと音は出ます。それなのにわざわざ別のオーディオ機器を接続するのはどうしてでしょう?
　それは、パソコン内蔵のオーディオデバイスは、オマケで付いているようなもので、音質に関してはあまり重要視されていないからです。一応音が出ているレベルでは、音楽を存分に楽しむことはできません。そこでUSB DACという、音質を重視して作られたオーディオデバイスが必要になります。

　ちなみに、USB DACを利用する以外にも、PCオーディオを楽しむ方法はいくつかあります。そんな中でもUSB DACが好評なのは、USBケーブルを1本接続するだけで、（特にMacでは）ドライバーをインストールする必要もなく、すぐにでも使い始められるからです。そのうえ、PC内蔵のオーディオに比べて格段に音がいい! 「手軽にいい音が楽しめる」からこそ、USB DACは好評を得ているのです。

お勧めのUSB DACは?

　人気のあるUSB DACだけに、各社からさまざまな機能を持つ、個性的な製品が多数登場しています。価格帯も、数1000円から数10万円まで幅広くラインアップされています。あまりの数の多さに、いざ製品を選ぼうと思ったとき、自分にとってはどれがいちばんピッタリなのか、迷ってしまうかもしれません。
　そこで、これから本格的なPCオーディオをスタートする人が押さえるべき、製品選びのポイントを伝授しましょう。とはいっても、ポイントはたったの2つ。
●1万円以上の製品を選ぶ
●ヘッドホンアンプ付きのモデルを選ぶ
です。USB DACは、数1000円からありますが、はっきりと「音が良くなった」と感じられるのは、1万円以上のクラスから。より理想的なのは3万円以上のクラスです。いちど買ったら、もしパソコンを替えても使い続けられるものなので、可能な限り、コストをかけるのが得策です。
　そういった点で、高級モデルも魅力的です。ラックスマン「DA-100」などは、PC的な視点でみるとかなり高価に思えますが、高級オーディオメーカーの製品が数万円で購入できること自体、かなり貴重なこと。手元のヘッドホンを利用するのであれば、USB DACひとつを買うだけで済むので、1点豪華主義で選んでみるというのも、なかなか幸せ度の高いプランです。
　いっぽう、ヘッドホンアンプ付きのモデルをお勧めするのは、ヘッドホンとUSB DACで手軽にPCオーディオを始められるからです。PCオーディオの醍醐味はスピーカーあってこそではありますが、構えず気軽にスタートすることも大切です。

パワードスピーカーとパッシブスピーカーの違い

　さて、USB DACさえあればPCオーディオは簡単にスタートできますが、やはり、スピーカーを繋いでこそ、より音楽を楽しめるというもの。そこで、本格PCオーディオ用のスピーカー選びについて、ポイントを紹介していきましょう。
　とはいっても、PCオーディオ用のスピーカー選びに、それほど難しいことはありません。置く場所にあったサイズ、好みに合った音色のスピーカーを選べばいいだけです。ただし、実際にスピーカーを選び始める際に、気をつけなければならないことがいくつかあります。そのひとつが、スピーカーにはパワードスピーカーとパッシブスピーカーの2種類がある──ということです。
　端的にいえば、この2つはパワーアンプを内蔵しているかどうかの違いがあるだけですが、それによってメリットやデメリットが生じます。そこで、それぞれの特徴を紹介しましょう。

パワードスピーカーの特徴

　パワードスピーカーはアンプを内蔵しているスピーカーで、PCオーディオ用としては相性のいい製品といえます。しかしながら、音のいい製品となるとパッシブスピーカーに比べて圧倒的に数が少なく、また高級モデルの多くがDTM（デスクトップミュージック）用途を主眼に据えたモニタースピーカーなので、ボリュームがうしろにあるなど、PCオーディオ用としては少々使い勝手が悪い場合があります。そのあたりに注意しましょう。

●パワードスピーカーのメリット
１　アンプ内蔵なのでデスクの上がスッキリ
２　アンプとスピーカーの相性を気にしなくて済む

●パワードスピーカーのデメリット
１　製品数がそれほど多くない
２　高級モデルの中には、PCオーディオ用としてはやや使い勝手の悪い製品がある

パッシブスピーカーの特徴

　パッシブスピーカーはアンプを内蔵していないスピーカーで、オーディオ用として一般的に使われているものです。そのため、パワードスピーカーに対して製品数が圧倒的に多く、より自分好みのシステムを構築しやすいのが特徴。また、機能ごとに個別の製品が必要なので、スピーカーを交換したり、アンプを交換したりするなど「グレードアップ」も容易です。しかしながら、アイテム数が増える（＝デスクの場所を取る）、コストがかかる、スピーカーとの相性問題が生じる場合があるなどのデメリットもあります。自由度が高いぶん、選択がやや難しくなるということです。

●パッシブスピーカーのメリット
１　種類が豊富
２　自由度の高いシステムプランが構築可能
３　一部の製品を交換する「グレードアップ」が容易

●パッシブスピーカーのデメリット
１　アンプが増えるため配置がやや複雑になる
２　コストがかかる

結局、どちらを選べばいい?

　このように、パワードとパッシブの2タイプが存在するスピーカーですが、結局のところ、どちらを選ぶのが得策でしょうか? 結論をいえば、どちらでもかまいません。音質に優劣があるわけではないので、音を聴いて気に入った製品を選んでください。
　パワードで気に入ったものがあれば手軽なグレードアップはあきらめ、パッシブが気に入ったら置き方で多少手間取ることは覚悟してください。とはいえ、気に入ったスピーカーはきっと長く使うでしょうから、すぐにグレードアップしたいとは思わないでしょうし、世の中には「Carot One ELNESTORO」などの、超小型ながらトールボーイスピーカーさえしっかり鳴らせる上質なアンプもあります。

画期的なワイヤレスシステム

　最後に、デンマーク ディナウディオ社の「Xeoシリーズ」を紹介しましょう。こちらは、スピーカーに電源ケーブルをつなぐだけで本格的なオーディオを楽しめるワイヤレススピーカーシステム。無線規格に2.4GHzを利用しており、Bluetoothや赤外線と比較して桁違いの音質を実現しているのが特徴です。左右のスピーカー両方にアンプを内蔵することで実現しているものなのですが、このような配線のいらないシステムは、セッティングの手間が軽減するばかりではなくレイアウトの自由度が大きく向上します。音楽の楽しみ方まで変えてしまう、注目の製品です。

──────スピーカー&アイテム紹介──────

●パワードスピーカー　ELAC AM500　価格：6万8250円

●パッシブスピーカー　ELAC BS 52.2　価格：4万2000円

問い合わせ：株式会社ユキム
http://www.yukimu.com/

●パワードスピーカー　Xeo3　実売価格：15万円前後

問い合わせ：ディナウディオジャパン株式会社
http://dynaudio.jp/

●USB DAC　DA-100　実売価格：6万円前後

問い合わせ：ラックスマン株式会社
http://www.luxman.co.jp/

●パワーアンプ　Carot One ERNESTOLO　価格：3万9800円

問い合わせ：株式会社ユキム
http://www.yukimu.com/

パッシブスピーカーにはUSB DACとパワーアンプが必要と知り、「そう言えばうちでもお父さんがいろいろつなげていました」と佐武さん。「私も最終的にはスピーカーやDAC、アンプにもこだわってみたいですね。まだヘッドホンの段階なので、そこから一歩ずつ覚えていきたいと思います!」とのこと

佐武宇綺（さたけうき）
TBS「開運音楽堂」でレギュラー出演中の他、ラジオ日本「9nine 佐武宇綺の宇宙を綺麗にするラジオ」（毎週火曜日24:30～）やニコニコ生放送「佐武さんは一人じゃナインだってこと噛みしめたいです。」（基本毎週水曜日22:30～）にも出演中! 

詳しい活動情報は佐武宇綺HP
（http://www.lespros.co.jp/artists/uki_satake/）
ブログ「うっきーさんはここにいます。」（http://yaplog.jp/lp-satakeuki/）

ガールズユニット「9nine」のメンバーとしても活躍中! 金曜日深夜0時52分スタートの連続ドラマ『好好(ハオハオ) ! キョンシーガール～東京電視台戦記～』（テレ東系）に出演中! また、そのドラマ主題歌＆挿入歌のダブルA面シングル『イーアル ! キョンシー feat.好好!キョンシーガール／Brave』が11月14日リリース! さらに月曜日深夜1時35分～放送スタートの、大人気コミックのアニメ化『となりの怪物くん』（テレ東系）のエンディングテーマ『White Wishes』が12月12日(水)リリース! 12月14日(金)には、赤坂BLITZにてワンマンライブ『クリスマスの9nine 2012 ～聖なる夜の大奏動♪～』を開催! 9nine“初”の全国ライブハウスツアー『出張 ! 全国ライブハウス好好 ! ツアー 2012』敢行 ! 大阪、札幌、福岡、新潟、名古屋の5都市で開催!

詳しくは、9nineオフィシャルファンクラブ（http://www.9nine-fan.net/）