デジカメを使っての転送速度テスト
SDカードの利用シーンはユーザーによってさまざまだと思うが、とりわけデジカメでの利用者が多いと思う。そこで、デジカメの連射機能を使って書き込み速度を調べてみた。本体のバッファがいっぱいになってから数十枚画像を撮影して、その撮影間隔を計る方法でテストした。撮影間隔の計測は、ストップウォッチを撮影することでより正確に行なう。保存形式は大容量のRAWを選択。撮影に使用した機種はソニー「NEX-3D」だ。
デジカメ側がUHS-Iに対応していないので、SanDisk Extreme Proがはじき出している57枚/分、1.173秒/枚がNEX-3Dの限界値といえる。その中で、Transcend、PQI、ADATAのクラス10カードは限界に近いパフォーマンスを出した。東芝はベンチマーク上では若干落ちるが、実利用ではそれほど違いを感じられなかった。
RAWデータの保存時間だが、KINGMAXとSiliconPowerはTranscendのクラス6より遅い。もうすこし頑張りましょう、である。Transcend、PQI、ADATAはここでも好成績をマーク。値段のお手頃さを考えると、この3メーカーはデジカメ向けとしてもコスパがいい。
CFカードアダプター経由で
どれくらい速度が変わるのか?
一眼レフカメラではまだまだコンパクトフラッシュ(CF)を採用しているモデルが多い。CFも一昔前よりは値段が下がってきているとはいえ、SDカードと比べるとまだまだ高価だ。なので、安価なSDカードとCFアダプターを組み合わせればCFそのものを買うよりもオトクなんじゃ? というセコイ思いつきから、このベンチマークを試した。これまでとは趣向を変えて、CFカードアダプターにSDカードを差して速度を計測してみた。
シーケンシャルアクセスについては大きな速度低下が確認できた。おもしろいことに、4KBほどの細かいランダムアクセスについては若干速度が上がっているものの、トータルではSDメモリーカード直差しのほうが圧倒的に速い。少しでも速度を意識するなら、CFにしか対応してないカメラにはCFを差して、パソコン用CF対応USBアダプターを用意するのがいいだろう。
なお、このベンチで使ったTranscendのSDカード(8GB、クラス10)がアキバで800円ほど、CFカードアダプターが1980円だったのだが、コンパクトフラッシュそのものは同じTranscend製(8GB、400x)で3000円以下で購入できる。“餅は餅屋”ということを痛感した。
最速はどれ? SDカードスピードバトルの勝者はこれだ!
爆速のSanDisk Extreme Proはさておき、好評の白芝を上回る成績を出したTranscend、PQI、ADATAのカードは、非常にコストパフォーマンスの高い製品といえる。底値に近い8GBはクラス10でも安価に手に入る。以前は高速なSDカードといえば東芝という印象だったが、他社もパフォーマンスの面で相当な磨きがかかっていることがわかった。個人的にはTranscend製のクラス10を1枚持っておこうかと思う。
データ消失など信頼性の面については長期間の評価ができなかったので気になるところではあるが、Eye-Fiなどの無線LAN対応製品を使って、撮影後すぐにデータを他のデバイスへ送るという手段が有効かもしれない。次回はデータ保護という観点から、Eye-Fiの使い勝手を検証する。
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