REGZAの超解像度技術をストレートに活かすストリーミング再生
住吉 ちょっと裏技に近いのですが、レコーダーで録画した地上デジタル放送を再生する際、HDMIではなく、DLNA経由でストリーミング再生してもらったほうが映像の品位が上がる場合があります。
これはアニメに限らず、すべての映像に当てはまるのですが、幅1440ドットの映像をREGZAの超解像処理を使って4/3倍伸長できるからです。3次元フレーム超解像技術など複数の超解像技術が効いてくるので、部分的な映像のチラつきを抑える効果などが得られたりします。
本当はREGZAにUSB HDDを接続していただき、それを再生するのが一番ですが、BDレコーダーなどを使っている場合は覚えておくといいかもしれません。
また、詳細調整でレゾリューションプラス設定を選んでいただくと、フィルムグレイン抑制という項目があります。
アニメモードオンにすると、グレーアウトしているんですが、これは微小信号の領域には超解像処理ををかけないということでそういった形になってます。アニメモードオフにすれば、設定を変えられようになります。ここで“強”“中”“弱”の設定を変えていただくと、テクスチャーの細かい作りこみを自然のまま出すか、それとも超解像で、少し上げ気味にしてやるかといったコントロールが可能になります。
DVDの映像もキレイに見たい
氷川 「お話しを聞いて、REGZAのアニメモードは、かなり放送に寄った機能だと感じました。しかし、現在テレビアニメが720pで制作されている理由は、単純に言えばコストだけです。Blu-ray Discにする際にはフルHDにするのですから、永遠に720pで作り続けているかは分からない。逆に480iで制作された過去の作品は、いつまで経ってもそのままで送られてくると思うんです。あるいはアニメユーザーが相当ため込んでいるはずのDVD。そう言う意味では、480iの映像をいかに美しく見るかという点も重要になりそうです」
住吉 「実はREGZA Z3/ZP3は、480i/p信号を高画質に見るために“DVDファイン”という画面サイズモードを持っています。これは720×480ドットのソースを縦横ちょうど2倍に拡大して表示するものです。SDソースがぼやけて見える理由はスケーラーを通すからです。そこで、スケーラーは使わず、拡大した際に出る斜め方向のジャギーに関しては、自己合同性超解像の技術を利用して補間しています。これにより、DVDの映像を甘くならず、くっきりとフォーカスの合った状態で拡大できます。
またD端子で入ってきた信号はADコンバーターでサンプリングしたうえで、デジタル処理を施すのですが、実はパネルの画素分だけ、フルオーバーサンプリングをして、そのまま映します。水平スケーリング処理がまったくないため高画質になる。そういうこともやっています。HDMIではなく今でもアナログの出力を使われている方にはメリットがあると思います。
つまりDVDに対しても、より高画質になるようにケアをしたのがZ3であり、ZP3であると言えます。アニメのDVDもそうですし、ゲーム機の接続にも活かせる。その点は我々も重視している部分です」
氷川 「この映像を見ると、ハイビジョンではないDVDでもここまで表現できるのかという点に驚かされますね」
新アニメモードを氷川竜介氏がチェック!(3)
魔法少女まどか☆マギカ(デジタル時代の深夜アニメ)
魔法少女の枠組みの中でギリギリと迫る緊張感を追求し、その中から人を思いやる気持ちのピュアさを絞り出すような作品です。意外性のある物語展開が話題になることが多いですが、実は照明効果や色彩など心象で感情をコントロールする部分の多い映像です。劇団イヌカレーによるコラージュ表現ではテクスチャーも豊かに表現されていました。