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まつもとあつしの「メディア維新を行く」 ― 第30回

サンライズ尾崎雅之氏インタビュー(前編)

TIGER & BUNNYはこうして生まれた

2012年01月16日 12時00分更新

文● まつもとあつし

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先日、劇場版について発表があったばかりの「TIGER & BUNNY」。そのエグゼクティブプロデューサーである尾崎雅之氏にお話を伺った
2010年11月24日付の日経新聞にはスポンサー公募の全面広告を展開。前代未聞の試みで話題を呼んだ ©SUNRISE/T&B PARTNERS, MBS

 2011年4月から9月までMBS、TOKYO MXほかで放送されたアニメ「TIGER & BUNNY(タイガー&バニー)」。

 放送開始直後から口コミで人気が爆発し、2011年を代表するアニメの1つとなったのは皆知っての通り。

 実在企業のロゴを貼り付けた“歩く広告塔”状態のヒーローたちが活躍するという趣向、地域によってはテレビ放送に先駆けて行なわれたUstreamでの配信、全国各地の劇場で開催された最終回のライブビューイングなど、人気も展開方法も異例づくしの作品だった。

 今回は、これらの仕掛け人と言えるTIGER & BUNNYのエグゼクティブプロデューサー、サンライズの尾崎雅之氏にじっくり話を聞く。巷での期待値はさほど高くなかったこの作品に(たった6カ月間で)何が起こったのか、その成長の軌跡を追っていこう。

TIGER & BUNNYとは?

 都市シュテルンビルトは、様々な人種・民族・『NEXT』と呼ばれる特殊能力者が共存し、その能力を使って街の平和を守る『ヒーロー』が存在する街。会社に所属するヒーロー達は、日夜会社の為にスポンサーを背負って、ポイントが入る事件解決や人命救助に奔走している。その活躍の模様は人気番組『HERO TV』で中継されており、各々キング・オブ・ヒーローを目指し、年間ランキングを争っている。

©SUNRISE/T&B PARTNERS, MBS

 ヒーローの一人、ワイルドタイガー(鏑木・T・虎徹)は、ヒーローとしてピークの過ぎたベテランヒーロー。上司の命令には従わなければならないものの、市民の安全の為には器物破損も厭わない、我が道を突き進むタイプ。彼には、いつしか『正義の壊し屋』という有難くない称号が……。そんな虎徹が、突然新人ヒーローのバーナビー・ブルックス Jr.とコンビを組むことに。

 仕事も私生活も崖っぷちのベテラン、ワイルドタイガーと有能だが扱いにくい新人、バーナビー・ブルックス Jr.が対立しながらも悪に立ち向かう――痛快バディヒーローアクション!

公式サイトより>

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ビジネスとしては、男性アニメファンの支持が必須

―― TIGER & BUNNYは、インターネットでの投稿やライブビューイングの客層を見ても、女性に非常に支持された作品という印象を受けました。

尾崎 「じつは、我々がまず取り込まねばと思っていたのは、男性アニメファンなんです。なぜかといえば、近年のガンダムや銀魂といった例外もあるものの、一般的にDVDなどのパッケージを買う方は、やはり30歳前後の独身男性が圧倒的に多いからです。

 (ビジネスとして成立させるには)まずコアなファンにパッケージを購入していただく必要があります。逆に言うと、男性に観てもらえない作品は、相当ハードルが高くなってしまう。ですから男性ファンをちゃんとキープして、ご満足いただいた上で、支持層をどれだけ拡げられるかという順番です」

―― なるほど。あくまでその中心は、コアなアニメファンというわけですね。

尾崎 「はい。コアな男性ファンに重点を置きつつ、ライトな層をどれだけ取り込めるかで、拡がりが違ってくるはずだと。

 じつはここに相反する部分もありまして……」

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