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意外とハードルは低かった!Visual Studioで始めるALM ― 第2回

「LanScope クラウドキャット」開発を支援したTeam Foundation Serverの機能とは?

新製品を4ヶ月で作ったエムオーテックスのALM活用術

2011年12月02日 09時00分更新

文● 塩田紳二 写真●曽根田元

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「LanScope Cat」で有名なエムオーテックスは、新規製品の開発に日本マイクロソフトの「Visual Studio 2010」と「Visual Studio Team Foundation Server 2010」を採用し、わずか4ヶ月で完成にこぎ着けた。同社Product Center 役員の中本琢也氏、システム部システム2課 部署長の清水一樹氏のお二方に、開発の背景とALMの活用、効果について聞いた。

東京都品川区にあるエムオーテックス東京本部で話を聞いた

Windows Azureを使った資産管理サービスにVisual Studioを利用

――まずは簡単に御社の製品とVisual Studioの関係をご紹介ください。

中本 現在当社には、LanScope Catという製品、Windows Azureを使ったクラウドサービス「LanScope クラウドキャット」という2種類のIT資産管理の製品があります。このクラウドキャットと、現在開発中のクラウドサービスの新製品開発に、Visual Studio 2010とTeam Foundation Serverを使っています。

 LanScopeシリーズは1992年から開発が続けられているアプリケーションで、一部にVisual Studioを使って開発を行なっています。

 一方、クラウドキャットは、小規模向けのIT資産管理で、Windows Azureとクライアントプログラムからなるシステムになっています。サーバーが不要で、これまで導入できなかった小規模な組織でも管理者なしでコンピュータの資産管理が可能になるメリットがあります。クライアント側アプリケーションのGUIには、Silverlightを使っており、専門知識がなくても直感的に操作できるようにしてあります。節電機能などもあり、夏の電力不足時の対策にこの点が注目されたこともありました。

Windows Azureを利用した「LanScope クラウドキャット」。社内に管理サーバーを設置することなくネットワークセキュリティやIT資産管理が行なえるサービスだ

――Windows Azure上のクラウドサービスですから、やはり最初からVisual Studioを使おうと考えたのでしょうか?

清水 そうですね。Azureが発表されたあと、ちょうどVisual Studio 2010がリリースされた頃に開発をスタートしたので、Azureの開発環境としては、Visual Studioだけという状態でした。

――Visual Studio Team Foundation Server 2010も採用した理由は何でしょうか?

清水 これまで当社の製品開発では、ファイルサーバーにソースコードをバージョンごとにZIP圧縮してサーバーにアップロードし、進捗状況をExcelで管理していました。今回の開発では、Visual Studioを利用するため、併せてTeam Foundation Serverを導入し、ソースコード管理をどのように行なうことができるのかを評価したいということもありました。

中本 また、われわれは、ソースコードをサーバーに保管する時に、独自のチェックを行なっていました。そのチェックを行なったかどうかなどは、独自のWebアプリケーションで管理していました。

Visual Studio Team Foundation Server 2010の効果とは

――それで、導入した結果はどうだったのでしょう?

清水■これまでの手作業に比べて、Team Foundation Serverでは作業がワンクリックで行なえるようになり、作業がかなり楽になりました。

 Team Foundation Serverには、あらかじめ設定したルールをチェックし、パスしたソースコートだけを登録できるようにする「品質ゲート」があります。これを使うことにより、ソースコードの品質をコントロールできます。たとえば、コード分析ツールの結果がよくないソースコードは、チェックインできないようにすることで、管理されているソースコードの品質を一定以上に保てるわけです。

 具体的には、品質ゲートに用意されている標準のルールに対して、こちらで要/不要を指定しました。また、コード分析に関しては、サードパーティのツールを利用しています。

エムオーテックス Product Center 役員の中本琢也氏

中本 今回のプロジェクトは、4カ月という短い期間で行なわれ、メインの開発メンバーは5人、最大でも10人というチームでした。しかも、メンバーのほとんどは入社2年目ぐらいまでの若手であり、新しい技術を使ってやろうとしました。それぞれのメンバーは技術はありますが、Visual StudioやC#といった新しい環境に慣れているわけではありません。教育的な意味もありました。しかし、結果的には、私が思っていた以上の結果を出すことができました。

中本 最後は、清水がコードをチェックするのですが、自動チェックにより、少なくとも品質の悪いものが製品に紛れ込むようなことはないため、かなり安心して開発に取り組むことができました。このために、開発の本質的な部分に注力できたのではないかと思っています。

――リーダーとしてコードをチェックする立場としてはどうだったのでしょう?

清水 ソースコードをチェックインする時に、コメントを強制していたため、Team Foundation Serverを使えば、この変更がなぜ行なわれたのか、その前はどうだったのかなどを簡単に追跡していくことができました。

(次ページ、「LanScope クラウドキャット」開発者のALM活用」に続く)


 

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