17日、セレボがUstream用デバイス「Live Shell」(ライブシェル)を発表した。ビデオカメラにつなぐだけでUstream配信できる。価格は2万6800円。年内発売予定だ。
ライブシェルをビデオカメラに接続し、ネットにつなぐだけで準備は終わり。配信開始と終了、ビットレートの調整、キャプションの表示などは、すべてパソコンもしくはiPhone/iPadなどのスマートデバイスからWeb上の「Dashboard」アプリを通じて操作する。
HDMIにも対応し、ビデオカメラのきれいな映像と音声をフルに活かした配信ができる。電源は単三電池3本で約3時間。「ソフトが固まった」「音が途切れた」「映像が出ない」など、マシントラブルと縁の切れない配信者にとって救世主のようなデバイスだ。
1人だけで配信する“ぼっち放送”にも威力を発揮する。話をしながらスマホを操作してロゴやテロップを入れたり、画質や音量を調整したりできるのは便利だろう。
ライブシェルで配信中「秋葉原ライブカメラ」
Webは決してオマケじゃない
「家電に必要なのは、電源スイッチだけ」
便利さはもとより、この製品が最も革新的なのはそこだ。“ボタンを押して操作する”は、家電製品の基本だ。新機能が増えるたびに“ボタン”も増える。「ボタンを押すと何かが起きる」は、日本人のひそかな喜びだったのではないかと思う。
ライブシェルはその発想をスパッと変えた。ボタン代わりにWebを使う。パソコンならキーボードという“ボタン”を使うが、スマートフォンではもはや“画面”だ。画面はつねにアップデートされ、新しい“ボタン”が追加されていく。それがライブシェルの発想だ。
「今回は最初からかなり数を作ることになりました。本当に期待しています」
そう製品に自信を見せるのは、セレボ代表の岩佐琢磨氏。Webをインターフェースとして使うアイデアは、以前からあたためていたものだった。「Webは決してオマケじゃないんです」と話す岩佐氏。発想のきっかけになったのはテレビだった。
「現在、Webとつなげてオンラインで操作できるようになっているテレビもあります。外出先でも録画予約ができるとか。でも、Webなら本当はもっといろんなことができるはずなんです。番組表を通じて『これ面白そう』とかコミュニケーションをとったりね」
今はほとんどの人々がWebにアクセスできる端末を持っている。それならWebと製品が同じクオリティを持つ、革新的な“ネット家電”を作っていきたい。その発想は「Consumer Electronics REVOution」(家電に革命を)という社名にもあらわれている。