マウスやキーボード製品でお馴染みのロジクールが17日、東京都内にて親会社であるスイスLogitech社の創立30周年を祝うイベントを開催した。来日した創業者の1人であるダニエル・ボレル(Daniel Borel)氏が同社の歩みについて講演したほか、同社の最新製品が多数披露された。
Logitechがスイスで創立されたのは、今から30年も前の1981年のこと。ボレル氏を含む3人のメンバーでスタートしたという。ボレル氏は同社のマウス事業発展の立役者であり、同社CEOを務めていた時期もある。今は非常勤の取締役を務めている。Logitech創業時のオフィスは牧場の一角にあったそうで、ボレル氏は「シリコンバレーではガレージで起業するそうですが、スイスでは牧場なんです」とユーモアを交えて語った。
創業直後のLogitechは、日本のリコー向けにソフトウェアを開発することで歩み始めたとのこと。ボレル氏はその後も日本の大手家電・コンピューターメーカーとの付き合いを通じて、品質に対する考え方を学んだとして、日本とLogitechのつながりの深さを示した。
84年に年間5万個程度の生産数だったマウスは、今では年間1億個も生産されているという。ボレル氏は同社の成長の原動力について、「毎年イノベーションを続けてきたこと」と述べる。また同社も度々危機に陥ったこともあるが、「危機の『危』はリスクを示すが、『機』はOpportunity(機会)である。シリコンバレーは下の『キ』を見る」と述べ、挑戦と変革の重要性を説いた。
マウスやキーボードの会社として知られるLogitechだが、その手がける商品分野は非常に幅広い。日本で販売されている製品だけでも、マウスやキーボードといった入力機器から、ウェブカメラにゲームコントローラー、スピーカーや高級ヘッドホン「Ultimate Ears」、さらには家電向けの周辺機器など多岐に渡る。最近ではiPad向けのキーボードなど、スマートフォンやタブレット向けのラインナップも急速に増加している。しかもまだ日本では販売していない商品もあるので、扱う商品分野は膨大だ。
イベントで披露された新製品には、家庭用テレビ向けのSkype用HDウェブカメラ「ロジクール TVカム for Skype」という商品もある。パナソニックのVIERA用のウェブカメラで、VIERAに内蔵されたSkypeクライアントと組み合わせて使うと、他のSkypeクライアントとのビデオチャットが可能になるというものだ。パソコンでの使用には対応していない、純粋なテレビ用周辺機器というのがポイントだ。
また、17日に発表されたマウス新製品「ロジクール ワイヤレスマウス M525」も展示されていた。同社独自の無線レシーバー「Unifying」に対応するワイヤレスマウスで、ウェブブラウジングを快適にする高速スクロールホイールを搭載する。単3乾電池2本で動作し、電池寿命は最大3年という長寿命も魅力である。
M525の対応OSはWindows 7/Vista/XP、Mac OS X 10.5以降。同社直販サイトでの価格は3980円。発売日は11月4日の予定。