レポートの作り方
まず、チャネル比較のレポートに必要な数字を集めます。
Google Analyticsで以下のようなカスタムレポートを作成します。
このカスタム変数はいいね!ボタンによりFacebook上に表示されたリンクをクリックしてサイトを初めて訪問した時にセットされ、訪問を超えて保持されます。この「ユーザー数」がFacebook経由で初めてサイトを訪れた「新規訪問:人数」(1)、「訪問」はその後何度サイトを訪れたかを表す「新規訪問:累計訪問」(2)、目標(番号はサイトによる)が、初訪問後の累計コンバージョン数、つまり「直接コンバージョン」(4)と「アシストコンバージョン」(5)の合計になります。
コンバージョンを直接とアシストに分けるため、カスタムレポートをもう1つ作成します。
デフォルトのトラフィックソースレポートでは、値は訪問を超えて保持されますが、コンバージョンは最後のチャネルにのみアトリビュート(配分)されます。たとえば、最初にFacebook経由で訪問し、後日Googleで検索して再訪問してからコンバージョンに至った場合は、Googleのコンバージョンのみが+1されます。そのため、このレポートのコンバージョン数は今回のレポートの「直接コンバージョン」(3)に相当します。前のレポートの「目標」から(3)を引くと(4)が分かります。
次に、コンテンツ評価のためのレポートに必要な数字を集めます。
ページ別のいいね!クリック数は、新Google Analyticsの「ソーシャル>ページ」レポートに表示されます。
ページ別の「訪問」は、通常の「上位のコンテンツ」で調べます。
FB訪問数とFB訪問新規率、FB直間コンバージョンは最初に作成したカスタムレポートの各行から抽出します。
まとめ
今回は「いいね!」ボタンの役割を図解することで「知るべきこと」を詳細化し、必要なデータを取得するためのカスタマイズ方法について紹介しました。レポート作成が少し複雑になりましたが、ツールが提供する数字やレポート(数字の並べ方)に引きずられずに知るべき数字を集めることが重要です。
著者:清水 誠 (しみず・まこと)
Webアナリスト。1995年国際基督教大学を卒業後、凸版印刷やScient、Razorfishにて大手企業へのWebコンサルティングとIA設計に従事した後、ウェブクルーでは開発・運用プロセス改善、日本アムウェイでは印刷物のデジタル化とCMS・PIM導入、楽天ではアクセス解析の全社展開、ギルト・グループではKPIの再定義とCRMをリード。2011年9月に渡米、マーケティング製品の品質改善に取り組む傍ら、執筆活動も続けている。サンクトガーレン社外CMO、電通レイザーフィッシュ社外フェローも務める。