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渡辺由美子の「誰がためにアニメは生まれる」 ― 第17回

成功の鍵は「ガイナックスの利益」を考えることだった

車のCMではなく、本気のアニメを――スバルの挑戦【後編】

2011年06月04日 12時00分更新

文● 渡辺由美子(@watanabe_yumiko

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 YouTubeで公開中のアニメ「放課後のプレアデス」のインタビュー後編。前編に引き続き、富士重工のスバル国内営業本部 マーケティング推進部 宣伝課 鈴木 曜氏にお話を伺う。後編では、ここまでの成功に導いた「すべての相手に尽くす」思想について聞く。


「放課後のプレアデス」

 空を見上げた。あの星を見つけた――。放課後の学校。星が好きな少女、すばるは校内にある展望室のドアを開くが、そこは見たこともない温室につながっていた。すばるはそこで不思議な少年、みなとと知り合う。その後、魔女の格好をした4人の少女たちとも出会い、すばるは徐々に魔法の物語に巻き込まれていく。



―― 「放課後のプレアデス」では、制作側をなぜガイナックスに決めたのでしょう?

鈴木 まず、コラボレーションしたこと自体が話題になってくれるような会社ということで候補をいくつか出したんですね。その中でもガイナックスさんは、“とがったものづくり”をされているなということで、候補の中では一番ご一緒したいなと、個人的にも思っていたんです。


―― とがったものづくり、ですか?

鈴木 世の中で流行っている、受け入れてくれるお客さまが多いから作るといった、限りなくマスに向けた商品づくりというのもあるんですが、それよりも独自性を打ち出してくるような方向性のものづくりというのでしょうか。

 それはスバルもそうなんです。EyeSightのような先進技術もそうですし、基本性能もどんどん煮詰めていきます。日本車メーカーの中では、ちょっと珍しいタイプなんですね。それで共感した方がお客さまとして付いてくださって。長くご愛用いただくお客さまも多いです。

※ アイサイト。ステレオカメラを使った安全運転システムのこと。衝突の危険があると判断した場合、必要に応じてシステムが自動的にブレーキをかけて衝突を回避、または衝突被害を軽減する。詳しくは公式サイト


―― 職人っぽいものづくりに惚れ込んで、分かってくれる人が買ってくれる、ということですね。

鈴木 そうかもしれません。今回、アニメを使った広告を作るということで、「トップをねらえ!」や「グレンラガン」といったガイナックス作品も見ました。すべてにおいて、作り手の意志がよく見える、メッセージ性の高いものを作っていらっしゃるなと。

 僕もウェブコンテンツで自作の動画を上げたりしていますけれども、映像って、手は抜いたらそれだけ観る側に分かってしまうんです。ガイナックスさんは非常に真摯にものづくりをされているんですが、手を抜かないんですね。何というか、そこが「やりすぎ」だなぁとか、商売っ気がないなぁと……と言うと先方に失礼かもしれませんが(笑)。

 そういうところも、スバルと相性が良いのかなと。


―― その「商売っ気のなさ」は、職人さん的なメンタリティーなのでしょうか。自分たちが考える良いものを作るため、技術をとことん突き詰めていく。

鈴木 そうですね。今回の「プレアデス」も、当初予定していたものより、かなりクオリティが高いものができています。予定以上に作り込んでくださっているなというのは、僕もガイナックスさんと制作の最初の段階から一緒に関わってきて思ったんですね。でも、最初にお願いしに行ったときは、難しかったです。

(次ページに続く)

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