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渡辺由美子の「誰がためにアニメは生まれる」 ― 第16回

「若者の車離れ」、魔女っ子たちが食い止める?

車のCMではなく、本気のアニメを――スバルの挑戦【前編】

2011年05月21日 12時00分更新

文● 渡辺由美子(@watanabe_yumiko

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 「新世紀エヴァンゲリオン」のガイナックスと、「レガシィ」の富士重工(スバル)が手を組み、今年2月にアニメ「放課後のプレアデス」(全4話)をYouTubeで公開した。

 主人公「すばる」を中心に5人の魔法少女が登場する、正統派の美少女アニメ。スバルが協賛企業となっているが、劇中にスバルのクルマが登場したりといった「CMっぽさ」は一見ない。アニメは公開直後からTwitterやFacebookで話題を呼び、「これはすごい」「クオリティ高すぎ」「スバル▲!」(スバルさんかっけー!)といった絶賛の声が集まった。

 しかし同時に、「なぜスバルがアニメを?」という疑問の声も当然のように上がってくる。ガイナックスのような大手アニメ制作会社が、スバルのようなナショナルクライアントの注文を受けてアニメを作るというのは、ネットでは前代未聞のこと。2社にはいったい、どんな狙いがあったのだろう?

 第1回は富士重工のスバル国内営業本部 マーケティング推進部 宣伝課の鈴木 曜氏にお話を伺い、マーケティングの側面から今回のアニメを語ってもらう。

「放課後のプレアデス」

 空を見上げた。あの星を見つけた――。放課後の学校。星が好きな少女、すばるは校内にある展望室のドアを開くが、そこは見たこともない温室につながっていた。すばるはそこで不思議な少年、みなとと知り合う。その後、魔女の格好をした4人の少女たちとも出会い、すばるは徐々に魔法の物語に巻き込まれていく。



―― 「放課後のプレアデス」は、スバル(自動車)の広告として作成されたということですが、車の広告にアニメを使うというのは珍しいですね。制作された経緯などを教えてください。

鈴木 アニメを広告の商材として使おうと思ったのは、去年「アイサイト」を搭載した車がスバルから出るにあたって、何か面白いプロモーションができないかなと思ったのがきっかけです。僕はインターネット広告のプロモーションを担当しているので、インターネットで何か面白いコンテンツはないかなと探している中で、アニメはどうだろうと考えたんです。

富士重工業 スバル国内営業本部 マーケティング推進部 宣伝課の鈴木曜氏

※ EyeSight。ステレオカメラを使った安全運転システムのこと。衝突の危険があると判断した場合、必要に応じてシステムが自動的にブレーキをかけて衝突を回避、または衝突被害の軽減をする。詳しくは公式サイト


―― 鈴木さんはアニメが以前からお好きだったんですか。

鈴木 大人になってからはあまり見てなかったんです。でも最近は、「大人の方がよくアニメを見てるな」というのが肌感覚としてありました。それで深夜アニメなどをいろいろと見てみたんですね。

 子供のころの感覚だと、アニメは中高生ぐらいまでなのかなと思っていたんですけど、実際に自分が30代になってから見てみたら、大人でも見ごたえがあるものや、内容が実感できるのは大人になってからじゃないのかな、みたいな作品もありまして、とても奥が深いなと思いました。


―― アニメは、大人にも届くコンテンツだと思われた。

鈴木 はい。そこで調査してみたのですが、その世代に限らず、アニメ好きな方は車好きの方とも特性が近いところがあるんです。新しい技術やガジェットに興味・関心が強い。スバルも技術に寄った車作りをしているところがあり、アイサイトのように先進の安全システムや独自の技術、メカニカルな部分にこだわりがあるので、アニメのお客さんとも親和性があるかもしれないと考えたんですね。

(次ページに続く)

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