5月11日、インテルはP67/H67チップセットの上位版にあたる新チップセット「Intel Z68 Express」(以下、Z68)をリリース、即日アキバには搭載製品が並んだ。今回運良くテストする機会に恵まれたので、早速レビューしてみたい。
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| インテルの新チップセット「Z68」のロゴ |
3分で把握するZ68の概要
Z68の特長は以下の通りとなる。
- 1) オーバークロックのポテンシャルはP67以上
- オーバークロック周りの機能はP67と同じだ。即ち“K”付きCPUなら倍率ロック引き上げの上限がなく、CPUの耐性上限までオーバークロックを楽しめる。
- 2) Sandy Bridgeの内蔵GPUをサポート
- Sandy Bridgeに統合されたGPU(以下、iGPU)に統合された「Quick Sync Video」(以下、QSV)のエンコード能力は画期的だが、P67では利用できない。だがZ68を使えば、前述のオーバークロックを楽しみつつも、QSVを利用したエンコード環境が1枚のマザーで構築可能だ。ただし、すべてのZ68マザーがiGPU用のディスプレイ出力を持っているわけではなく、各マザーボードの設計によってはiGPUの出力に対応しない製品もあるので注意したい。
- 3) Intel Smart Response Technlogyに対応
- Z68では、SSDの領域の一部をHDDのキャッシュとして運用するモードだ。これまではSSDはOS起動用、HDDはデータ置き場用として使い分けるのが定番だったが、Z68では「Intel Smart Response Technlogy」(以下、SRT)を利用してHDDを高速化する利用法を選べる。
- 4) 外部PLLでオーバークロックがさらに自由に
- オーバークロッカーが注目するのはこの点だろう。P67では許されなかった「外部PLL」の実装を、Z68ではサポートしている。P67は単一のクロック源からすべてのクロックを生成するため、BCLK(ベースクロック)を上げるとPCI Express等のクロックも連動して上がってしまい、事実上BCLK操作によるオーバークロックが事実上封印されていた。
しかしZ68では、旧来のチップセットと同様に外部PLLの利用が解禁されており、CPUコアに供給するクロックとPCI Express等のデリケートな部分に供給するクロックを分離できる。
なお、CPU側のPCI Express x16を2分割してのマルチGPUサポートや、2つのSATA 6Gbpsを含む合計6つのSATAサポート、チップセット自身でのUSB3.0非搭載など、上記以外の仕様についてはP67と同等である。
今回用意したテスト環境は?
今回の検証にあたっては、以下の環境を用意した。後述するSRTの性能検証のため、システムはHDDにインストールしている。
| テスト環境 | |
|---|---|
| CPU | Intel「Core i7-2600K」(3.4GHz) |
| マザーボード | ASUSTeK「P8Z68-V PRO」(Z68) |
| メモリ | Kingstone「KHX2133C9AD3X2K2/4GX」(2GB×2) |
| ビデオカード | MSI「N580GTX Twin Frozr II OC」(GeForce GTX 580) GIGABYTE「GV-N550OC-1GI」(GeForce GTX 550 Ti) |
| HDD | HGST「HDS723020BLA642」(2TB/SATA3.0) |
| SSD | Corsair「CSSD-F120GB2」(120GB/SATA2.0) |
| 電源 | ENERMAX「LEPA W500-SA」(500W) |
| OS | 64bit版「Windows 7 Ultimate SP1」 |
![]() | じっくり愛でる時間もないので、バラックでざっくりとテストマシンを構築。CPUクーラーはサイズ製「羅刹クーラー」を載せ、オーバークロックへの備えとした |
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内蔵GPUとビデオカードの
シームレスな切り換えを行なう「Virtu」
QSVとビデオカードを共存させる上での最大の制約は、iGPUのディスプレイ出力を使う必要がある点。つまり、QSVを使う時はオンボードのディスプレイ出力を使い、ゲームプレイ時はビデオカード側の出力に変えるため、いちいちディスプレイを繋ぎかえるという面倒な操作が必要になるわけだ。
しかし、Z68マザーと同時にリリースされたLucidlogix社のGPU仮想化ソフトウェア「Virtu」を利用することで、ディスプレイケーブルの繋ぎかえをせずにiGPUとビデオカードを共存できる。
![]() | Virtuのメリットを最大限に活かすには、このようにiGPU側の出力をディスプレイに接続する必要がある(Lucidlogixではこれを「i-mode」と呼んでいる)。ビデオカード側の出力に接続する(同じく「d-mode」)では、当然ながらQSVを利用できなかった |
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Virtuの動作原理についてはここでは割愛するが(関連サイト)、ビデオカード側のGPUの描画データを一度Virtuで吸収し、iGPU側のフレームバッファーに描画データを流すことで実現している。つまり、ディスプレイケーブルはiGPU側のみに接続すればよく、ビデオカード上のGPUが必要な局面になれば、自動的にVirtuが適切な処理を行なうのだ。Virtu自体はインテルのサイトからダウンロード可能だ(自己責任となるが、H67マザーでも利用できるようなので、試してみるのもいいだろう)。
ただし注意したいのは、今回試したASUSTeK製マザーではVirtuは「任意インストールのユーティリティ扱い」になっていたことだ。“おまかせインストール”に頼っていると忘れてしまう可能性が高い。ちなみに、今回のテスト終了間際に飛び込んできたASRock製のマザーでは、ドライバと一緒にインストール可能になっている。このあたりのルールはマザーボードメーカーによって異なるため、セットアップ時に十分注意が必要なようだ。
![]() | ASUSTeK製マザーのインストールCDでは、Virtuは任意インストールになっていた |
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※お詫びと訂正:画像の一部に、違う型番の製品を掲載しておりました。訂正してお詫びいたします。
(次ページへ続く)
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