「gfxCardStatus」を活用して
バッテリー駆動時間を少しでも長くする
Macでは、グラフィックスの自動切り替えを有効にすると、バッテリー駆動時間を長くするために、CPU内蔵のグラフィックス機能とディスクリートのものが自動で切り替わるようになる。HyperJuiceのテストでも分かるように効果があるのは確かだが、残念ながらどのような条件で変更しているのか分からないうえ、バッテリー駆動時間が少しでも長くなるよう細かく設定するといったことはできない。
これを解決するものとして、15/17インチMacBook Pro向けとして配布されているオープンソースソフト「gfxCardStatus」をオススメしたい。
gfxCardStatusは常駐型プログラムで、起動と同時にメニューバーにCPU内蔵(Integrated)を示す「i」アイコン、あるいはディスクリート(Discrete)を示す「d」アイコンが表示される。この表示により、現在利用しているグラフィックス機能がどれなのか分かるというわけだ。
また、このアイコンをクリックするとメニューが表示され、手動でグラフィックス機能を切り替えられる(一部ソフトは手動変更が有効にならない場合がある。詳しくはFAQを参照)。
さらに、メニューの「Preference」を選択すると設定ウィンドウが表示される。ここで「Use power source-based switching」項目にチェックを入れると、ACアダプター利用時(Plugged In)、あるいは内蔵バッテリー利用時(On Battery)にどのグラフィックス機能を利用するか指定可能なほか、OS標準のグラフィックスの自動切り替え機能に従った動作(Dynamic)の指定も行なえるようになる。
「Dynamic」を選択して、OS標準のグラフィックスの自動切り替え機能がどのような動作をしているのか試してみたところ、アプリケーションを一切起動していない状態ではCPU内蔵グラフィックス機能を利用しており、立ち上げたソフトによってディスクリートに切り替えているのが分かった。またディスクリートを利用しているソフトを終了させると同時に、CPU内蔵に変更された。
基本的には、画像/動画編集ツールの場合は起動と同時にディスクリートに切り替わっていると考えておくといい。意外なところでは、「Twitter」、「Skype」、「Microsoft Messenger for Mac」といった常駐させて利用するオーナーが多いソフトが、起動直後からディスクリートを利用するようになっていた。つまり、これらを立ち上げ続けていると、OS標準のグラフィックスの自動切り替え機能を有効にしている意味がなくなり、バッテリーの駆動時間が短くなる可能性が高い。
この状態を避けるには、gfxCardStatusのPreferenceにおいて、内蔵バッテリー利用時(On Battery)にCPU内蔵(Integrated)を指定するといい。またHyperJuiceを利用する場合には、PreferenceでACアダプター利用時(Plugged In)/内蔵バッテリー利用時(On Battery)の両方で、CPU内蔵を使うように指定すると、駆動時間が延びやすくなるはずだ。
モバイルルーターとセットで使える
余裕ある予備電源
HyperJuiceを持つメリットは、出先でもバッテリーがなくならないという安心感に尽きる。たとえ1日使わなくても、カバンに放り込んでおくだけで「予備電源がある」という心の余裕が生まれる。
筆者のように割と頻繁に取材に出かけて、電源が取れるか分からない場所で作業する必要のある仕事では、1台持っておくことで間違いなく役立つだろう。
またHyperJuiceはUSBポートを備えているため、モバイルルーターなどの周辺機器も一緒に給電できるという点もポイントだ。筆者所有の「Pocket WiFi」はだいたい2、3時間しかバッテリーが持たない印象だが、HyperJuiceを持っていれば、MacBook Proに加えてモバイルルーターの動作時間も延長できるので、仕事が止まらずに済む。
ただし、今回試用したMBP-222(重量2130g)は重いため、現実的にはMBP-060(360g)やMBP-100(730g)のほうが携帯に向いている。MBP-222は、例えば15/17インチMacBook ProをSOHOなどデスクノートとして利用しているオーナーにオススメしたい。夜間に充電しておき、昼間の停電に備えたり、節電に役立てたりなどの利用法がベターだろう。
モバイル用途がメインで充電の手間を減らしたい人は、MBP-060かMBP-100を2台買って、交互にチャージしながら常に1台はカバンに入れておくというプランもいい。ぜひHyperJuiceをゲットして、バッテリー切れに強く、しかも省エネなモバイルライフを送ってほしい。