ネットワーク機能では、新たにニコンが提供する静止画共有サービス「my Picturetown on TV」に対応。SDメモリーカードやUSB接続でデジカメの静止画を再生するだけでなく、ネットワークにアップロードした写真を手軽に大画面で再生できるようになった。
ネットワーク機能は動画配信サービスを中心に各社とも強化を図っているが、静止画共有のようなすでにPCで盛んに利用されているサービスを取り込んでいくことも利便性を高めるポイントになると思う。
映像処理回路もさらに進化。より高コントラストで豊かな映像を再現
続いて画質面での進化を紹介しよう。映像処理回路は新開発の「PictureMaster 3」となった。複数フレームの画像を参照して、より高精度にノイズを除去する「アドバンスド3次元ノイズリダクション」、同じく複数フレームの情報を参照して豊かな色再現を行なう「3次元デジタルカラーマネージメント2」、コントラストの高い映像を再現する「アドバンスドダイナミックコントラスト2」の採用が主な進化点。
表示パネルは、プラズマモデルが「ダイナミック・ブラックパネル」を採用し、自発光ならではの高コントラストに加え、動画応答性も向上した。さらに、前面のガラスパネルとカラーフィルターをプラズマパネルと一体化する「ダイレクトピュアカラーフィルター」により、外光の反射によるコントラスト感の低下を抑え、明るい部屋での黒浮きを低減するなどの高画質化を実現している。
液晶モデルは、光沢処理を加えたIPS方式パネルを採用。エッジ型のLEDバックライトはエリア制御を行なうことで、暗部の黒の締まりを改善。より高コントラスト化を実現した。倍速表示は2倍速だが、LEDバックライトのスキャニングを行なうことで、いっそうの残像感低減を果たしている。
自動画質調整機能も「インテリジェント・オート高画質3」として進化した。これは内蔵センサーの改善によるもので、LED照明を使った環境でもより精度の高い明るさや照明の色合いの検出ができるようになった。
蛍光灯とLED照明は見た目には同じようでいて、光の広がり具合などに違いがある。このため、従来のセンサーではLED照明では正確な検知ができず、自動画質調整がうまくいかないことがあったという。
新型センサーではLED照明の光をきちんと検知できるものを採用し、LED照明を使った室内でも最適な画質で楽しめるようになっている。
このほか、先行するHP07/H07シリーズで搭載された、映像ごとに色情報を分析する「カラーリミッター」機能が追加されるなど、高画質性能もより熟成が図られている。