QtベースのOS X対応ソフト5選
順調に増えつつあるQtベースのOS X対応ソフトだが、「Qt Inside」なんてロゴが掲げられているわけもなく、ユーザーが見分けることは難しい。OS X/Linux/Windowsのマルチプラットフォーム対応をうたい、OS X向けには「app」形式で提供され、ポップな印象のツールバーを持つ……実際のところ、ダウンロード後にotool
コマンドで検証する以外に確たる方法はない。
筆者はとりあえず以下に挙げる5つのソフトをピックアップしたが、これは氷山の一角。興味があれば探し出してほしい。
画像ビューワー「XnViewMP」
Windowsでは定番の画像ビューワー「XnView」を、マルチプラットフォーム版として移植しているのが、この「XnViewMP」(XnView Multi Platform)だ。オリジナルの400種超という数に比べれば控えめながら、最新ベータ版(v0.33)の時点で読み取り173種/書き出し49種のフォーマットに対応、すでに強力な画像コンバータとしても動作する。
音楽プレーヤー「Clementine」
Ubuntuを中心にユーザーを獲得しつつあるサウンドプレーヤー「Clementine」も、Qtベースのソフトだ。現行バージョンはv0.6、すでに国際化対応が進展しているため、日本語メニューを表示できる。サウンドプレーヤーとしての機能も高く、AACやMP3のほか、FLACにも標準対応している。Wii Remoteをコントローラとして利用できるなど、通好みの機能も満載だ。
ワープロソフト「LyX」
LaTeXとの高い親和性を持つワープロソフト「LyX」も、Qtを使用している。QtがCocoaをサポートする以前からOS X版をリリースしているが、Qtベースへの移行により、完全なマルチプラットフォーム指向のソフトへと進化している。
アニメ作成ツール「Pencil」
「Pencil」は、アニメーションの作成を目的としたドローソフトだ。タイムラインに沿って画像を並べることで、パラパラマンガを描く感覚でアニメーションを作成できる。出力可能なフォーマットはFLASH(swf)やMPEG、JPEGなど。
ポーカーゲーム「PokerTH」
「PokerTH」は、Texas hold'emという種類のポーカーを楽しめるカードゲーム。各プレーヤーに配られる2枚の手札と、全プレーヤー共通のカード(コミュニティカード、最大5枚)を組み合わせ、役を競う形でプレーする。コンピュータとの対戦のほか、最高7人でネット対戦できるという点がおもしろい。
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。
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