家庭でプリンターが最も活躍する時期といえば、年賀状作りが行なわれる年末年始だ。これに加えて、日常的に写真プリントを行なう家庭も多い。特に小さな子供がいたり、趣味が写真という場合には写真プリント機能が活躍するだろう。はがき印刷とフォトプリントが大半という、家庭の最大需要を追求したのが、エプソンのカラリオ ミー コンパクトプリンター「宛名達人 E-810」だ。
初心者もベテランも使いやすい、五十音/QWERTY配列キーボード
大型ディスプレイを搭載し、本体だけでデジタルカメラ本体とのデータ通信や、メディアカードを読み込んでのフォトプリントを実現しているモデルはたくさんあるが、E-810の面白さはキーボードを搭載しているところだ。このおかげで、ちょっとしたメッセージや宛名などはササッと手軽に本体だけで入力できる。つまり、あて名から裏面までPCレスで年賀状作りができてしまうというわけだ。
これは、PCを起動するのが面倒だから手軽に済ませたい読者はもちろん、PCが苦手な家族から作業を頼られているという読者にもありがたいはずだ。年賀状や季節の挨拶はがき、写真プリントだけが目当てならば、PCを持っていない家族向けにも検討に値するだろう。今回は本当にPCレスでどこまでできるのか検証してみた。
まず、キーボードを見てみよう。一見してわかるのは、大きなひらがなが五十音順に並んでいるということだ。いわゆる五十音表とは逆配置で、最も左が「あ行」だ。下に向かって「あ行」が進み、左に「か行」が配置されている。促音や拗音に関しては[シフト]キーを押しながらの入力で、濁音と半濁音も追加キー入力が必要になるが、それもキーボード上にしっかりとアナウンスされているから、初めてキーボードに触れる人でもすぐに慣れることができそうだ。
アルファベットはPCと同じQWERTY配置となっている。キーが小さいためにタッチタイプで入力するには大分慣れが必要そうではあるが、PCに慣れた人にとっては配置がわかりやすい。残念ながら、PCでかな入力を利用している人にとっては少々慣れが必要そうだ。テンキーも用意されているが、数字の配置は電話番号入力を意識してか、一般的なテンキーキーボードと逆の”電話タイプ”となっている。
キーはアイソレーションキーボード風だが、キートップの感触はゴム風だ。電子文具でよく採用されているタイプのキーで、押した時の手応えも「ぺこっ」という具合。タッチ音も特にしない。キートップは横幅11mm程度だが、ピッチは16mmと割合広く、押しやすい。宛名の入力程度ならば特に不自由はないだろう。
解像度800×480の7.0型大型ディスプレイは、作業しやすい高さまでスライドした上で角度調節を行なえる(視野角は左右:65度、上下:55度)。椅子に座ってキーボードを操作しながらうつむく姿勢で十分作業可能だ。輝度調整も11段階でできるため、まぶしすぎて疲れるということもない。
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