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シェア51%の獲得に意欲を見せる

エプソン、「迷わない」カラリオシリーズ新製品を投入

2010年09月02日 22時30分更新

文● 大河原克行

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 エプソンは、個人向けインクジェットプリンター「カラリオシリーズ」の新製品として6機種、コンパクトプリンター「カラリオミー」の新製品として2機種、計8機種を発売すると発表した。

 カラリオシリーズのラインナップは、多機能モデル「EP-903F」「EP-903A」「EP-803A」「EP-803AW」「EP-703A」と、単機能モデル「PX-503A」の6機種。

「EP-903F」/「EP-903A」

「EP-803A」

「EP-803AW」

「EP-703A」

「PX-503A」

エプソンダイレクトショップでの予定価格と発売日は写真の通り。9月15日から順次発売される

簡単・快適を強化、迷わないプリンターへ

セイコーエプソン情報機器事業セグメント担当・羽片忠明取締役

セイコーエプソンの業務執行役員情報画像事業本部長・奥村資紀氏

 セイコーエプソンの羽片忠明取締役情報機器事業セグメント担当は、「カラリオは1995年に発売して以来、今年で15年目を迎え、今年度中には累計出荷で3500万台に達する見込みだ。暮らしのなかでなくてはならない存在になることを目指して進化を遂げてきたカラリオは、今年の新製品において、もっと簡単な操作にしてほしい、無線LANの設定を簡単にしてほしい、パソコンを使わないでアルバムを作成したい、インテリアにあう色を用意してほしいといったユーザーの要望を反映したものになっている」とした。
 また、セイコーエプソンの業務執行役員情報画像事業本部長・奥村資紀氏は、「今年のキーワードは、『プリンター選びで、もう迷わない』。操作が迷わずできる、機能を迷わず使える簡単さなどの『簡単』、好きな場所における、携帯機器から印刷できるといった『快適』を追求した。エプソンプリンターの購入者では、無線LAN搭載モデル購入者の6割が無線LANを使用しているが、セットアップが難しいという声が多かった。今年の製品では、USBケーブルを接続するだけで設定が完了するようにした」と使いやすさをコメント。
 また、「カラリオミーでは、もっと簡単に使いやすく、さらにプリントして楽しくをキーワードに、オールシーズン使っていただけるようにした。最近、流行の写真俳句の利用も可能になる」(奥村氏)と位置づけた。

今年のキーワードを「もう迷わない」とし、誰でも簡単に使用できる快適性を強化したという

 新カラリオシリーズでは、すべての製品で無線LANに対応。プリンタの横に固定することなく、家中どこからでもプリントおよびスキャンができるとしている。
 EP-903F、EP-903A、EP-803A、EP-803AWの操作パネルは、操作手順にあわせて使用できるボタンだけが光る「カンタンLEDナビ」を搭載。目的の操作をガイドできるようになっている。
 また、前面給排紙と自動両面印刷の採用により、用紙交換が簡単であること、ページ数の多いプリントにも適している。iPhoneやiPad、Androidなどの携帯端末からの直接印刷も可能にしている。
 さらに、6色染料インクの搭載により、人肌などを滑らかに表現。画像処理技術の「オートファイン!EX」、長期保存性能を持つ「つよインク」などの強みも継承している。従来の標準タイプのインクカートリッジに加えて、小容量タイプを用意した。「使い方にあわせて、カートリッジの容量を選択できるようにした」という。
 また、「今年から紙粉がつきにくいヘッドとしたことで自動クリーニング機能を省いた」(エプソン販売・中野修義取締役)という。

 売れ筋モデルとしては、ブラックのEP-803A、ホワイトのEP-803AWの2色を用意。価格はオープンプライス。市場想定価格はEP-803AおよびEP-803AWが3万980円。9月15日から順次出荷する。

カラリオミーからは2機種がラインナップ

 一方、カラリオミーは、7.0型の大画面カラー液晶を搭載し、リモコンおよびキーボード操作を可能とした「宛名名人 E-810」と、シルバー、ピンク2色のカラーバリエーションを用意した「E-340S」と「E-340P」を投入する。
 E-810では、1000件までの住所管理が可能であることから年賀状や挨拶状などのプリントにも適しているほか、同じ日に撮影した複数の写真を1枚にまとめて印刷できる「思い出の一枚アルバム」機能などを搭載。背景色や文字色の変更により、組写真風に楽しむことができる。価格はオープンプライス。市場想定価格は宛名名人 E-810が5万4980円。9月15日から出荷する。

カラリオミーからは、リモコンおよびキーボード操作を可能とした「宛名名人 E-810」と、シルバーとピンクのカラーバリエーションを選択できる「E-340S/P」の2機種が登場

エプソン販売の平野精一社長

エプソン販売の中野修義取締役

 エプソン販売の平野精一社長は、「複合機では、使いやすさで迷わない、置き場所にも迷わないといった訴求を行ない、コンパクトプリンターでは年賀状づくりで迷わない、4色顔料モデルではビジネス用途でも迷わないを掲げる」としたほか、「複合機から複合機への買い換えが進むこと、キーボード付きコンパクトプリンターが好調であり、この分野で2倍以上の成長が期待できることで、2010年度は市場全体で5%増の500万台の出荷規模が見込まれる。そのなかで、複合機ではシェア50%以上、コンパクトプリンターではシェア60%以上、単機能プリンタでは50%以上のシェア獲得を目指し、インクジェットプリンター市場全体で51%のシェアを狙い。51%の1%にこだわり、確実にトップシェアを取りたい」と意気込みを述べた。
 また、「無線LAN搭載モデルの販売構成比は70%を計画している。また、コンパクトプリンターは、前年比30%増の13万台の市場規模が見込まれているが、これまでのターゲットとしていたシニア層だけでなく、ファミリー層をはじめとした幅広い層に訴求したい」とした。
 一方、新CMキャラクターには、役所広司さんに加え、新たに黒木メイサさんを起用することを発表。「迷わないプリンター選びを訴求する」という。
 「とくにコンパクトプリンターは、12月に品薄となったこともあり、昨年11月まででCMを打ち切った。認知度は42.5%に留まっており、これを70%にまで引き上げたい。今年は出荷量が増える12月までCM展開を行なうことにしており、前年の2倍の出広量になる」(中野取締役)とした。


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