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強者連合のエンタープライズ向けのクラウドパッケージ

Vblock事例登場!VCE連合が国内でも強さをアピール

2010年10月18日 11時00分更新

文● 渡邉利和

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10月15日、シスコシステムズ、EMC、ヴイエムウェアの3社によるアライアンス“Virtual Computing Environment”(VCE連合)は、VCE連合の取り組みと、成果物であるVblockに関する説明会を開催した。

導入まで数週間!国内でも導入が始まる

 冒頭登壇したEMCジャパンの執行役員副社長の山野 修氏は、まずVCE連合のこれまでの経緯について簡単に振り返り、米国で2009年11月に設立後、日本国内でも2010年2月に日本法人3社が共同でVCE連合を推進していくことを発表したことを紹介。VCE連合の成果物であるVblockの普及推進に取り組んでいるとした。さらに同氏は、「Vblockの特徴は、より完璧な形で統合ならびに試験/検証を終えた環境を提供することで、すぐ利用可能なパッケージとして販売する」と語った。また、「VMware、シスコ、EMCが持っている優れた仮想化、ネットワーキング、コンピューティング並びにストレージ、セキュリティが結集されたプラットフォーム」だと位置づけた上で、「日本でも導入が終わっており、今後普及拡大していくと期待している」とした。

EMCジャパン 執行役員副社長 山野 修氏

 続いて登壇したシスコシステムズの専務執行役員 データセンタ/バーチャライゼーション事業統括の石本 龍太郎氏は、「日本でも導入が終わっている」という山野氏の言葉を引き継ぐように、「発表から5ヶ月で日本でのVblockの初受注があった」と明かした。計算すると、今年7月頃の話ということになりそうだ。具体的な顧客名は明かされなかったが、大規模なインターネット関連企業で、クラウドインフラとして活用されるという。同氏はさらに、「同様の取り組みは他社でも行なっているが、VCE連合の取り組みの他社との違いは、コントロールポイントが1カ所で済む点だ。他社では、サーバー、ストレージ、ネットワークの最低3カ所での管理が必要になる」という。このことは導入のスムーズさにもつながっており、先の国内ファーストカスタマーの場合では数週間で稼働可能な状態になったという。

シスコシステムズ 専務執行役員 データセンタ/バーチャライゼーション事業統括 石本 龍太郎氏

単なるハードウェアではなく、アプリケーションのインフラ

 続いて、VCE サンタクララ・イノベーション・センターのアプリケーション Center of Excellence シニア・ディレクターのホン・クウェック氏がVblockの詳細について説明を行なった。

VCE サンタクララ・イノベーション・センター アプリケーション Center of Excellence シニア・ディレクター ホン・クウェック氏

 同氏は、Vblockについて「シスコのUSC(サーバー)、スイッチ、EMCのストレージで構成されるが、単なるハードウェアではなく、アプリケーションのためのインフラだ」とした。さらに、その構成上のコンセプトとして、Vblock内部はきわめてシンプルに構成されつつ、連合する3社に加えて他のパートナー企業のさまざまな技術と連携が可能なように配慮されているという。Vblock上で稼働するアプリケーションに対しては、内部のコンポーネントがアップグレードされた場合にも互換性が維持され、可能な限り長期にわたって利用可能であることを重視しているとした。また、全体が仮想化技術を前提に構成されていることから、連携する他社のテクノロジーを仮想アプライアンス化すればVblock内部に取り込むことも可能な柔軟性も備えるという。

 同氏は、VBlockを大規模なエンタープライズでの利用を想定しているとし、そのためにDR(災害復旧)機能などが特に重視されているとした。そのために基本技術要素となっているのがCisco OTV(Overlay Transport Virtualization)、VMware SRM(Site Recovery Manager)、EMC Replication Manager/EMC VPLEXといった3社それぞれのテクノロジーだ。さらに、ヴイエムウェアとシスコが共同で取り組んでいるDistributed Virtual Switchなどを組み合わせれば、データセンター間をまたいで仮想マシンを移動する「Long Distance VMotion」も実現できるという。同氏は、「現時点ではストレージ側で同期レプリケーションが可能な100km以内の距離で実現できているが、2011年半ばには2000km、2012年には1万kmといった非同期レプリケーション距離での仮想マシンのライブマイグレーションが実現できる」との見通しを示した。

Vblockを支える技術構成

 クラウド対応を視野に入れ、エンタープライズユーザーやデータセンター事業者ではデータセンターをモジュール化し、必要に応じて必要な規模だけ拡張できるように、という取り組みが注目されつつある。Vblockはまさにこうした流れに沿ったものだといえる。ただ、ユーザー側の視点からすればさらに冷却や電源周りまでも含んだ「コンテナ型データセンター」も比較対象になってくると思われる。

 現在のVCEメンバー3社の製品であるサーバー、ストレージ、スイッチ+仮想化ソフトウェアという構成は、あくまでも既設のデータセンターのマシンルーム内に「IT機器」として導入されることが前提だと思われるが、今後もあくまで3社の連合という形が維持されるのか、より多くのパートナーを巻き込んでファシリティを含むモジュール化にまで踏み込んでいくのか、先の展開も気になるところだ。

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