7月28日、液晶一体型のデスクトップ「iMac」の最新版がリリースされた(ニュース記事)。前モデルが登場した2009年10月末より約9ヵ月でのアップデートとなる。全機種で「Core i」シリーズのCPUを採用したことなどが特徴だが、本体のデザインはそのままで全体としてはマイナーチェンジといえるだろう。
iMacは、21.5/27インチという2種類の液晶ディスプレーが選べるが、今回は27インチの最上位モデル(Intel Core i5 2.8GHz/メモリー 4GB/HDD 1TB/ATI Radeon HD 5750)を試してみた。まとめると……
・ディスプレーのデカさは快適だが諸刃の剣
・ケーブル1本のシンプルデザインが素敵
・写真やビデオを編集したいというパソコンで何かを作る人向け
といった感じだ。早速、iMacの魅力を見ていこう!
すんごくデカいです……
iMacといえば、現CEOであるスティーブ ジョブズ復帰後のアップルをずっと支えてきた大黒柱のようなプロダクト。デスクトップでは「Power Mac」から「Mac Pro」に、ノートでは「iBook」が「MacBook」に、「PowerBook」が「MacBook Pro」に変わっていく中、ずっと同じブランド名を通している。
しかし、同じ名前でもユーザー体験はまったく別物。特に大きく変わったのは液晶ディスプレーで、1998年に登場した最初のボンダイブルーでは15インチだった(関連記事)。次にフルモデルチェンジとなった首振り型のモデル(Flat Panel)では、途中で15/17インチという2種類に増えた。
そして現在のデザインの原型となるiMac G5では17/20インチを販売してきて、Intel CPUに移行したあとに24インチモデルまで登場した。当時、24インチでも「でけー!」と驚いたものだが、現在のアルミボディーにリニューアルし、ちょうどひとつ前のモデルで27インチという史上最大のiMacが追加された。
最初のボンダイiMacは1024×768ドットで、今の27インチは2560×1440ドット。ドット数だけでいえば、12年で約4.7倍ほどに増えたのだ。
一方で、使う人のやりたいことはそう大きく変わっていない。ディスプレーに表示できるものが多くなればなるほど、いちいちパレットを開いたり、ウィンドウをスクロールしなくて済むようになる。視野角が広いIPSパネルということもあって、特にグラフィックやビデオ、音楽などクリエイティブ系の作業での違いは明確だ。
例えば、フォトショップでは、画像を等倍表示にしたときに表示される範囲が断然違うし、パレットも広げ放題。13インチのMacBookから乗り換えた日には、ワンルームから2LDKに引っ越してきたような新鮮な感覚を覚えるだろう。
しかし、用途によってはデカ過ぎるかもしれない。冷静に考えてみると、27インチは下手すると液晶テレビよりも大きなサイズだ。身長177cmで座高90cmくらい(短足とか言わない)の筆者でも、机の上に置くとメニューバーが目線より高くなるので少し肩が凝る。長時間使う作業では、一段下げたところに置いて見下ろすようにすると疲れにくいかもしれない。
また前モデルの座談会でMacPeopleの吉田編集長も指摘していたように、ウェブブラウズとメールだけでは、全画面を使わずに済んで空間が空くこともある。ウェブとメールがメインなら、21.5インチでも1920×1080ドットの解像度があるのでそちらを選ぶのもいいだろう。