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これで作れる! Androidのアプリケーション ― 第9回

Androidアプリで複数の項目を表示するリストビューを使う

2010年08月27日 12時00分更新

文● 塩田紳二

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AndroidのListViewとは?

 今回は、Androidの画面パーツ(ウィジェット)の中でも、特に複雑なListViewを見ていくことにしましょう。ListViewは複数の項目を表示してスクロールなどが可能なウィジェットですが、個々の表示にユーザーの指定する任意のViewを使うことができます。

WorldClockのListView

 WorldClockでは、このListViewをItemEditで、タイムゾーンを表示させるために使っています。まずは、ListView自体は、レイアウトファイルであるedititem.xml(res/layoutおよびres/layout-landフォルダ)にあります。Eclipse用のAndroidプラグインにはバグがあり、ListViewのプロパティで「Fast scroll enabled」にしてあると、レイアウトのビジュアル表示がエラーとなって、表示ができなくなります。レイアウトを見たい場合には、アウトラインから「elvTimeZone」を選び、プロパティで上記の項目を「false」を一時的に設定してください。

 プログラムコードであるEditItem.javaでは、onCreateの先頭で、

setContentView(R.layout.edititem);

として、前記のxmlファイルからアクティビティを生成されており、ListViewは82行目で、

tzlist = (ListView) this.findViewById(R.id.elvTimeZone);

として変数tzlistで参照できるようにしてあります。

 ListViewでは、表示する項目を設定する必要がありますが、複数の項目があり、また通常多数なので、たいていは配列などに保存してあるはずです。このため、内容をセットして表示させるにはArrayAdapterを使います。

 ArrayAdapterは、ListViewに表示するデータを配列として渡すと同時にそのビューを提供します。単純なビュー(たとえばテキストを表示するだけ)であれば、直接レイアウトファイル(のリソースID)を渡してもいいのですが、ちょっと複雑な表示をしたい場合には、ビューをArrayAdapterの中で提供します。このEditItemでは、MyListAdapterというクラスを別に作ってあり、これをListViewにセットしています。

MyListAdapter arrayAdapter = new MyListAdapter(this,timeZoneIDs);
tzlist.setAdapter(arrayAdapter);

MyListAdapterは、EditItem.javaの264行目で定義されています(以下のリスト1を参照のこと)。ArrayAdapterは、配列の要素の型を指定して生成します。ここでは、String型としています。

リスト1

private class MyListAdapter extends ArrayAdapter<String> {
  private Boolean mCityNameMode;
  private LayoutInflater myInflater;
  private TextView timezoneid;
  private TextView timezonename;
  private TextView timezoneoffset;
  private TextView timezonedst;
  public MyListAdapter(Context context,String[] objects) {
    super(context, 0, objects);
    mCityNameMode=false;
    myInflater = (LayoutInflater) context.getSystemService(
      Context.LAYOUT_INFLATER_SERVICE);
  }

  @Override
  public View getView(int position,
    View convertView, ViewGroup parent) {
    if (convertView == null ){
      convertView = myInflater.inflate(R.layout.timezonelist, null);
    }
    String timezone = this.getItem(position);
    TimeZone tz = TimeZone.getTimeZone(timezone);
    timezoneid = (TextView)convertView.findViewById(R.id.inListTV);
    timezonename = (TextView)convertView.findViewById(       R.id.inListLongName);
    timezonedst = (TextView)convertView.findViewById(R.id.inListDST);
    timezoneoffset = (TextView)convertView.findViewById(R.id.inListOffset);
    if (mCityNameMode ){
      String[] temp = timezone.split("/");
      String str = temp[temp.length-1];
      str = str.replaceAll("_", " ");
      timezoneid.setText(str);
    } else {
      timezoneid.setText( timezone);
    }
    timezonename.setText(tz.getDisplayName(
      false, java.util.TimeZone.LONG));
    Calendar now = Calendar.getInstance(tz);
    timezonedst.setTextColor(
      tz.inDaylightTime(now.getTime()) ? Color.WHITE : Color.DKGRAY);
    timezoneoffset.setText("GMT"+DateFormat.format("z", now));
    return convertView;
  }
  public void setCityNameMode(Boolean mode){
    mCityNameMode=mode;
  }
}

 ArrayAdapterは、さまざまな型の要素を持つ配列を使うため、ジェネリックを使って、

ArrayAdapter<型>

として定義されます。型には、StringやIntegerなどの要素の型を設定します。今回の場合は、

private class MyListAdapter extends ArrayAdapter<String>

としており、MyListAdapterは、文字列型を要素に持つ配列を扱うArrayAdapterになっています。Javaの中でもジェネリック(型を事前に指定しないで処理を記述すること)は複雑な機能なので、市販の参考書などを参照してください。

 このクラスで定義しているのは、コンストラクタとgetViewメソッドです。setCityNameModeメソッドは、動作を変えるためのメソッドで、ArrayAdapterから継承したメソッドではありません。  ArrayAdapterクラスのコンストラクタは6種類あるのですが、ここでは、

ArrayAdapter(Context context, int textViewResourceId, T[] objects)

という形のものを「super(context,0,objects)」で呼び出しています。「T[]」は、ジェネリックを使うときの記法で、「T型の配列」を表します。前述のようにArrayAdapter<String>としてあるため、TはString型となり、objectsは、Stringの配列になります。ListViewは、このAdapterオブジェクトを介して、表示をします。データの管理などは、Adapter内で行ない、配列に格納されたどの要素を表示するなども、すべてAdapter内で管理します。画面上に表示するためのViewは、getViewメソッドを呼び出して生成させます。ただし、生成されるのは、表示できる数だけで、スクロールしたときなどは、すでに生成されたviewを使い回すようになっています。

 getViewを具体的に見ていきましょう。このメソッドは、

public View getView(int position, View convertView, ViewGroup parent)

という形で呼び出されます。positionは表示するデータの配列内のインデックスです。convertViewは表示用のViewオブジェクト、parentはその親オブジェクトです。

 このメソッドが呼び出されたとき、convertViewが未定義(null)ならば、まだ表示用のビューが作られていないので、これを生成してやります。このプログラムでは、レイアウトファイル(res/layout/timezonelist.xml)でビューを定義してあり、インフレーター(第6回参照)を使ってViewオブジェクトにします。ビューは、必要な数しか作られないので、これは、最初にListViewが表示されるときのみnullとなり、スクロールをさせている間は、ビューは使い回しされます。なので、ビューに値を設定するときには、きちんと設定しないと、前の値が残ってしまいます。

 timezonelist.xmlは(リスト2)のようにTextViewを4つ持っています。TimeZoneのID(inListTV)、表示名(inListLongName)、時差(inListOffset)、サマータイム(inListDST)です。getViewでは、この4つのTextViewにそれぞれ値を設定しています。

リスト2

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<LinearLayout android:id="@+id/LinearLayout01"
  android:layout_width="fill_parent"
  xmlns:android="http://schemas.android.com/apk/res/android"
  android:layout_height="wrap_content"
  android:orientation="vertical">
  <TextView
    xmlns:android="http://schemas.android.com/apk/res/android"
    android:layout_height="wrap_content"
    android:layout_width="fill_parent" android:id="@+id/inListTV"
    android:text="TimeZoneID" android:textSize="20dip">
    </TextView>
  <LinearLayout android:id="@+id/LinearLayout02"
    android:layout_height="wrap_content"
    android:layout_width="fill_parent"
    android:orientation="horizontal">
    <TextView android:layout_height="wrap_content"
      android:text="TimeZoneName"
      android:id="@+id/inListLongName"
      android:layout_width="fill_parent"
      android:layout_weight="6"
      android:textSize="14dip">
      </TextView>
    <TextView android:layout_width="wrap_content"
      android:layout_height="wrap_content"
      android:paddingLeft="3px"
      android:paddingRight="8px"
      android:id="@+id/inListOffset"
      android:text="GMT+10:00"
      android:textSize="14dip">
      </TextView>
    <TextView android:layout_width="wrap_content"
      android:layout_height="wrap_content"
      android:id="@+id/inListDST"
      android:layout_gravity="right"
      android:gravity="right"
      android:paddingRight="5px"
      android:text="@string/indicateDST">
      </TextView>
  </LinearLayout>
</LinearLayout>

 TimeZone IDは、「エリア/都市名」という形の文字列で、javaのTimeZoneオブジェクトは、このIDを使ってタイムゾーンを設定します。また表示用には、LongName/ShortNameの2つがありますが、人間にわかりやすい表示としてLongNameを使います。時差やサマータイムの情報は、TimeZone IDを設定したTimeZoneオブジェクトで調べることが可能です。ポイントは、文字列としてのTimeZone IDがあれば、TimeZoneオブジェクトを生成して、情報を得ることが可能だという点です。

 ArrayAdapterを定義したときに設定した配列は、ArrayAdapter内では、getItem(int pos)というメソッドでアクセスが可能です。もちろん、直接配列にアクセスすることもできますが、getItemを使うことで、他の配列を渡してクラスを生成させたときにもコードを変更する必要がありません。ここでは、配列にTimeZone IDを入れてあります。というのは、TimeZone IDからLongNameを得ることはできるのですが、人間に判りやすいLongNameからTimeZone IDを得ることはできないからです。また、TimeZoneオブジェクトは、システムが持つすべてのタイムゾーンを配列にして戻すという機能があり、これから配列を生成させています。

 ですが、人間にわかりやすいようにLongNameやオフセット値などを補助的に表示させる必要があるため、ListViewのgetView内で、これらの情報を求めて、設定しているわけです。

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