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「売れる」Webコンテンツを作る3つの視点 (2/3)

2010年08月03日 10時00分更新

文●井上果林/ロフトワーク クリエイティブディレクター

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1.制作チームの視点:
制作の目的と目標を設定し、チームが目指す方向性をそろえる

 コンテンツの内容を考える前に、まずWebコンテンツを作る「目的」「目標」を明確にします。目的とは簡単に言えば最終的に達成すべきことであり、目標は目的を成し遂げるための「数値的指標」のことです。たとえば「Webコンテンツを通じて新規顧客を増やす」が目的であれば、目標は「新規顧客からの問い合わせを100件獲得する」になります。

 「なんだ当たり前じゃないか、いつもやってるよ」――そう思われる方も多いと思いますが、目的と目標を決めるメリットは評価指標の策定だけではありません。これから一緒に制作を進めていくチームの意識をそろえ、思いつきのアイデアや新規メンバーの参入によって、本来意図しない方向には逸れないようにする、という役割もあります。

 もし、コンテンツ作成の過程でいろんな意見が出て、何を採用すればよいか分からなくなったら、最初に設定した目的と目標を再度振り返りましょう。どんなコンテンツを作成すれば目的・目標に沿うか、優先順位をつけて考えられるようになります。

目標設定のためのガイドライン「SMARTの原則」

 具体的な目標設定のガイドラインは、プロジェクトマネジメントの知識体系PMBOKで、「SMARTの原則」として定義されています。SMARTの原則では、以下の5つを満たす目標の設定を定めています。

  • Specific(具体性)―目標は具体的か?
  • Measurable(測定可能性)―定量的に測定できるか?
  • Accurate(正確性)―目的と整合しているか?
  • Realistic and Tangible(現実性と実体性)―現実的か?
  • Time bound(有期性)―期日が決められているか?

 目標設定は、現実的かどうかも考慮しながら「定量的」な数値を示していくことが重要です。


2.製品担当者の視点:
訴求したいポイントを明らかにする

 制作チームの目的と目標が決まったら、実際にWebコンテンツの内容を策定していく作業に入ります。

 まずWebコンテンツを作る上で重要なのは、製品担当者の視点です。言いかえれば、「製品の何をPRしたいのか」ということになります。そもそも、製品にPRしたいポイントがなければWebコンテンツなど作る必要もありませんので、元々何らかの「オススメポイント」があるはずです。ポイントを複数洗い出し、その中で特にどのポイントをPRしたいのか、優先順位をつけていきます。

 PRしたいことが多いと、並列してあれもこれも……と盛り込みたくなりがちですが、きちんと訴求点を整理していくことが重要です。

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