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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第5回

BDプレーヤーにフォトフレーム、ネット端末にもなる

最強のポータブルプレーヤー「DMP-BV200」を試す

2010年05月27日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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 パナソニックからポータブルテレビの新モデル「DMP-BV200」(実売価格9万円前後)が発売された。バッテリー内蔵のポータブル地デジテレビでありながら、BDドライブ(再生専用)や4ダイバーアンテナを内蔵し、屋内/屋外を問わず地デジ/ワンセグ放送が楽しめる多芸な製品である。

「DMP-BV200」

「DMP-BV200」

 同社は大画面テレビでこそ録画テレビの発売は後発で、テレビとレコーダーやプレーヤーを複合した製品にはあまり力を注いではいない印象がある。しかし、ポータブル機器では逆に積極的だ。

 今では当たり前の製品であるディスプレイ一体型DVDプレーヤーも、一番最初に発売したのはパナソニックだった(DVD-L10)。時代がBDに移行してから登場した「DMP-BV100」は、BDの高精細な映像を楽しむため液晶モニターを8.9型と大きなものとし、さらには地デジチューナーとアンテナも内蔵してしまった。

 アンテナ不要で屋内/屋外のどこでもテレビやBD、ネットワークまでも楽しめる機器というかなりアグレッシブなモデル。こういう、これまでに存在しなかったAV機器が筆者は大好きで、どちらも所有し愛用している。

 新しいDMP-BV200は、デザインも一新され、よりすっきりとモダンなデザインに生まれ変わった。もちろん、液晶モニターも10.1型(1024×600ドット)に大型化されるなど、装備や機能も大きく進化している。その進化ぶりを実際に試してみたくなり、こうしてレビューと称して徹底的に使わせてもらうことにしたわけだ。

機能や使い勝手はそのままに各部をより洗練したDMP-BV200

液晶モニター部分を開いた状態。ディスクの入れ替えなどはこの状態で行なう

液晶モニター部分を開いた状態。ディスクの入れ替えなどはこの状態で行なう

ディスクドライブ部分のカバーを開いた状態。BDやDVDのほか、音楽用CDやCD-R/RW(CD-DA、JPEG、MP3)の再生にも対応

ディスクドライブ部分のカバーを開いた状態。BDやDVDのほか、音楽用CDやCD-R/RW(CD-DA、JPEG、MP3)の再生にも対応

 液晶モニター部分は画面のチルト角度調整とBDのセットのために約90度程開閉できるようになっているのは従来機と同じ。ただし、画面を開いた状態で180度水平に回転させることはできなくなっている。

 つまり持ち運び時など、液晶パネル部分を裏返して閉じることができない。まあ、従来機でもパネルを開いた状態(つまりノートPCを開いたようなスタイル)での視聴は(仕様上)できなかったし、このサイズ(幅262×奥行き200.5×高さ55.1mm)をかばんに入れて持ち歩くという用途はあまり現実的ではないため、省略されたのだろう。

右側面部には、上から、USB、ヘッドホン出力、HDMI出力、Ethernet端子、電源端子が並ぶ

右側面部には、上から、USB、ヘッドホン出力、HDMI出力、Ethernet端子、電源端子が並ぶ

左側面部。上が外部アンテナ端子で、下はSDメモリーカードスロット。背面部分に見えるグレーの部品は着脱式のバッテリー

左側面部。上が外部アンテナ端子で、下はSDメモリーカードスロット。背面部分に見えるグレーの部品は着脱式のバッテリー

上面部。電源ボタンのほか、十字キーとメニュー操作用のボタンがある

上面部には電源ボタンのほか、十字キーとメニュー操作用のボタンがある

背面部のminiB-CASスロット。通常のB-CASカードと比べるとかなり小型化されている

背面部のminiB-CASスロット。通常のB-CASカードと比べるとかなり小型化されている

 装備などの違いは、B-CASカードが一般的なサイズのものから携帯電話のSIMサイズであるminiB-CASカードになったことと、無線LAN対応などのためにUSB端子が追加されたこと。細かい点では外部アンテナ端子が小型のミニプラグ形状のものに変更されており、標準的なF型接栓に変換するアダプターが付属している。

液晶モニター部の下部にはスライド式の操作パネルが収納されている。BDなどの再生操作やチャンネル/音量調整のほか、フォトフレームモードなどへ切り換えるモード切り替えボタンもある

液晶モニター部の下部にはスライド式の操作パネルが収納されている。BDなどの再生操作やチャンネル/音量調整のほか、フォトフレームモードなどへの切り替えボタンもある

 使い勝手の点では、液晶モニター部の下に基本操作用のパネルが追加された。このくらいのサイズの製品だとリモコンではなく直接本体を操作することも多いため、ありがたい進化と言える。

 ボタンはタッチセンサー式で、自照式のため明かりを落とした寝室でも使いやすいように工夫されている。細かい点では、電源アダプターの端子が側面に移動したところも進化した点だ。従来機では電源アダプターを接続したままだとスタンドと干渉するため、コンパクトに畳んで収納することができなかったのだ。使うたびに電源を差すのは少々面倒だったので、これもちょっとうらやましい。

付属のリモコン。フルサイズのリモコンとなり、再生操作ボタンの配列がわかりやすくなっている。十字キーなどの操作も良好だ

付属のリモコン。フルサイズのリモコンとなり、再生操作ボタンの配列がわかりやすくなっている。十字キーなどの操作も良好だ

 内蔵する4ダイバーアンテナの受信性能はほぼ同様のようで、都内なら屋内でもワイヤレスでフルセグ受信が可能だが、千葉県松戸市にある我が家では屋内では窓際に行かないとフルセグの受信ができず、ワンセグに切り替わってしまった。こちらの飛躍的な性能向上にも期待したかったところだ。

 また、リモコンは従来機がカードタイプのコンパクトなものだったのに対し、一般的な大きさのフルサイズリモコンになった。バッテリー内蔵とはいえ、日常的に持ち歩くようなものではないので、リモコンも屋内での使い勝手に優れるものとしたのだろう。

 サイズが大きくなったため、再生操作のボタンの配置がわかりやすくなるなど、使い勝手はかなり向上している。

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