MySQL→掲示板系アプリが勝利の方程式?
最初のうちは比較的軽めの単独ツール類が上がってくるが、いずれの選手もMySQLを導入してセットアップしながら、各種データベースソフトウェアをダウンロードし、セットアップを始める。各選手の画面をよく見ていると、エディターでiniファイルを開いて設定を書き込んでいるかと思えば、別ウィンドウで開いたWebブラウザーのタブが10個くらいあり、そのうちの半数ほどがファイルのダウンロード中。残りはインストール用のドキュメントもしくはOSSアプリの動作確認の画面を表示といったところ。中には各種パラメータを暗記してきているのか、ドキュメントからコピペするのではなく猛烈な勢いでキーボードを叩いている選手もいた。
45分を過ぎたあたりから各選手のインストールアプリが10個前後となり、単独で動作する小さめのツール類に加えてWebサーバー、掲示板系ソフト、CMSソフトも続々とインストールされていく。1時間経過時点では1枠の64氏、3枠のたか氏、7枠のTakashi氏あたりが15個前後でリードしていたが、それを過ぎた頃から残りの選手も猛烈に追い上げてきて、特に6枠のこまちむ氏が掲示板、チャットボード、アクセスカウンターなど、掲示板系のOSSを続々とインストールする作戦に入る。連続して掲示板だけで10種類近くも導入するなど、残り30分を切ったあたりからスパートをかけてリードを広げていった。
(最初の20分こそ長く感じられたものの)あっという間の2時間が過ぎ、リードを保ったままこまちむ氏のスコアは33件で終了。次点となる64氏、たか氏の21件を大きく引き離す結果となった。ちなみに、次点になった各選手のPCにはまだいくつもダウンロード途中のタブが残っており、ダウンロードの進捗状況に思わぬ苦戦を強いられた選手も多かったようだ。
栄えあるチャンピオンベルトを獲得したこまちむ氏の談をまとめると、PHP中心でいくかPerl中心でいくか考えて、隣の前回チャンピオン・Takashi氏がPerlで進めているのに気づいてから、Perlでやろうと決めたのが勝因だっただったという。一方、惜しくも敗れた他の選手に聞くと、ダウンロードの遅さによって大きめのソフトウェアの導入に存外手間取ったという意見が多かった。
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今回、司会を務めたマイクロソフトのプラットフォーム戦略本部シニアエグゼクティブマーケティングスペシャリストの吉川顕太郎氏は、「昨年リリースした“Microsoft Web Platform Installer”を利用する選手が多いと予想し、実際に何人かの選手はダウンロードしていたが、Web PIに登録されているアプリケーションには比較的大物が多かったため、ダウンロードに時間がかかり、ほとんど効果を上げられなかったようだ。掲示板系アプリが多かったのは、やはり(ダウンロードするファイル)サイズに比べて安定しているものが多いことがポイントだろう。ともあれ、昨年の“インストールマニアックス2009”では3時間で26個だったのに対して、今年は2時間で33個というのは大幅な記録更新だ」とコメント。吉川氏によると、各選手とも決勝戦にきちんと戦略をもって臨んでいることが功を奏したようだ。
PHPであれPerlであれ、市販アプリのように単にインストールすればそのまま動くわけではないOSSを、わずか2時間(実質的には1時間40分くらい)で33タイトルもインストールして設定までこなすというのは、それだけでも驚きだ。次回はどのようなスケジュールで実施されるのか未定だが、我こそは自信ありという技術者は腕試しにぜひチャレンジしてみてほしい。