デルは、片手でも操作しやすく、堅牢性の高いPCを発表した。警察や屋外作業、救急の分野など屋外での業務を想定した製品。高/低温/多湿といった厳しい環境下での業務に対応し、しかも操作性に優れたパソコンへのニーズに応える。
デル(株)は24日、堅牢性の高い新しいPC「Dell Latitude XT2 XFR」を発表した。デルとしては初のマルチタッチに対応している。この種のタブレットPCは一般に堅牢性を重視し、機構も複雑になるため大型になりがちだが、業界最小のコンパクトな本体サイズとした。本体サイズは幅308×奥行き239×高さ39mmで、最小重量は2.45kg。
本製品はコンバーチブルタブレット型でマルチタッチに対応。画面を180度回転させ折りたためるため、手軽な操作感が特徴。太陽光の下でも見やすい液晶ディスプレーを採用し、屋外での視認性も高い。
また、振動やほこり、高温多湿などの耐性については米国軍事規格「MIL STD 810F」で13以上の項目に適合している。さらに、密閉型の端子カバーを付け、キーボードも強化し、電気・電子工学に関連した技術の国際的な標準化団体「国際電気標準委員会(IEC)」の「IP54」適合レベルの防塵・防湿も実現している。
なお、同社のラインアップには、本製品よりも多くのに規格に適合している海外モデル「Latitude E6400 XFR」もあるが、こちらはマルチタッチには対応しておらず、日本での発売は未定となっている。
標準構成のCPUはCore 2 Duo SU9600(1.6GHz)。メモリーはDDR3で、PC3-8500(本製品では800MHz動作)に準拠。バッテリーは標準の4セルタイプのほか、6セル、9セルが選べる。4セルでは約3.5時間、オプションバッテリー利用時では最大約11.5時間(9セルバッテリスライス使用時)の駆動が可能とのこと。ストレージは衝撃に強いSSD 64GBを搭載している。OSはWindows 7で、32bit版のほか、64bit版も選べる。
購入時にはスペックの強化などのカスタマイズが可能。オプションでGPSやカメラ機能も装備できる。デルのリモート管理機能と翌営業日出張修理サービスなど、サポート面も既存のLatitudeシリーズに準拠したものが用意されている。
標準構成時の直販価格は39万6165円。同社直販サイトで販売が開始されている。
これまでの堅牢PCというと、頑丈さや安定性重視のためにスペックを犠牲にしたり、特殊なパーツを使うケースも多かった。そのため、従来のビジネスPCの管理スキームと外れた運用が求められがちである。しかし、あくまでも今回の製品は、異なるとデル(株)北アジア地域公共事業マーケティング本部クライアントソリューションマーケティングマネージャーの垂見智真氏は言う。
保守部品の供給体制やOSイメージの統一性といった観点でも、従来のデル製品と同じ体制を利用できる。つまり、デルのビジネスPCを利用している企業であれば、特別な準備を必要とせず、今回の製品を導入できるという点が、最大の特徴になる。
本記事公開当初、垂見智真氏のお名前に間違いがありました。謹んで訂正させていただきます。