人材不足が深刻な医療や介護業界は、IT化によるヘルスケアの充実と効率化が迫られている。こうした時代背景のなかでパナソニック(株)は、「タフ」なパソコンとして認知を高めていたTOUGHBOOKをヘルスケア向けに改良したタブレット型パソコン「H1シリーズ」の新製品を発表した。
同社が17日に発表したのは、TOUGHBOOK H1シリーズの新製品4機種。現行機種と異なる点は、コンティニュア規格対応のBluetoothを内蔵した点にある。このおかげで血圧計、体重計、歩数計といったコンティニュア規格対応の健康管理機器との無線通信が可能になった。
また、OSは新たにWindows7 Professionalの32ビット版を搭載し、メモリも標準で2GBとなり、機種自体のスペックも向上。
もちろん、現行機種と同様にインテルが提唱する「Mobile Clinical Assistant」にも準拠し、病院内の総合健康診断システムといった管理ソフトとも無線通信が可能で、介護や医療サービスのさらなる効率化につながる。
なお、コンティニュア規格とは、NPO法人「コンティニュア・ヘルス・アライアンス」が提唱する規格のこと。医療サービスの向上を目指し、さまざまな医療機器や健康管理サービスをいかにして円滑に連携させていくかを考えている団体で、医療やIT企業など全世界で220社が参加している。
具体的には、BluetoothやZigBeeといった低消費電力の無線通信機能の規格を統一し、医療機器間の連携強化などを図っている。
そもそも、医療向けに特化したH1シリーズでは、TOUGHBOOKから受け継いだ頑丈さを生かし、耐衝撃性能と防塵・防滴性能はもちろんのこと、本体をアルコールなどで消毒する際の腐食を防止する耐薬品性能も実現。
また、約8時間の長時間駆動に加えて、電源を入れたままのバーテリー交換が可能となっており、重要な作業を長時間中断するような事態を防げる。
今回発表された4機種のおもな違いは、2次元バーコードリーダー機能がないWindows7 Professional搭載モデル「CF-H1CDJAZDJ」とXPへのダウングレード権が付属する「CF-H1CDJAZGJ」。
そして、同機能があるwindows7 Professional搭載モデル「CF-H1CDJBZDJ」と、XPへのダウングレード権が付属する「CF-H1CDJBZGJ」。
それ以外のハードウェア構成は同じで、CPUがAtom Z540(1.86GHz)、メモリ2GB、HDD容量は80GB。
全製品ともに価格はオープンプライスで、4月22日発売予定。