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ダイロー小隊長の「機動戦士ガンダム戦記」入魂レポート 第1回

ダイロー小隊長の「機動戦士ガンダム戦記」入魂レポート

オレ色に染め上げたMS小隊が戦場を駆ける!――ゲーム紹介編

2009年09月01日 07時55分更新

文● ダイロー吉川(小隊長)

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MS同士の戦闘、それは美しい

 最後に、機動戦士ガンダム戦記でのMSの造形や挙動についてもこだわってみたい。

剣をあわせた瞬間
ビームサーベルとビームナギナタが剣をあわせた瞬間。月面であるため、光のコントラストが余計にきれいだ (C)創通・サンライズ

 MSの挙動は、PS3の最新ゲームなので当たり前とはいえ、実によく動く。格闘戦の際に顕著なのだが、ゲルググのビームナギナタやドムのヒートサーベルなどは、MSがグングン振り回すそれが地面へと照り返り、見惚れるほどに美しい。また、ビームサーベルも同様で、ビームならではの(実際に見たんかい!? というツッコミはこの際ナシで)“しなり”が実に気持ちがいい。

×ボタンでジャンプ
×ボタンでジャンプ! 胸を反らし顔を上げ、「ドン!」と飛んでいくこの躍動感は、正直タマラン感じです (C)創通・サンライズ

 MSの重量感と躍動感の区別も、なかなかハッキリしている。ブーストやジャンプをしないで移動している際は、どちらかというと重々しい動きなのだが、いったんバーニアをふかせば、今までの重量が嘘のように加速して飛び上がる。このギャップによって、質量を持ちながらも高い機動性を持つMSという存在が実感できた気がする。水面に落ちた水しぶきも大きく、このあたりはきちんと実物を計算したうえでの演出なのだろうと感動した。

ビルの屋上から市街地を眺める
ビルの屋上に立って市街地を眺める。ウーン、すべてが“本物”だ。満足 (C)創通・サンライズ

 もはや蛇足気味だが、筆者は今まで機動戦士ガンダムのゲームを数作プレイしており、その中でいつも頭に浮かんだのは、「建物や崖、森林などの大きさが、(リアルさを追求するのではなく)ゲームそのものに最適化されているのではないだろうか?」という懸念である。ゲームそのものを面白くするために、建物があんなに高かったり、木が高いのではないだろうか。つまりゲーム内のスケール感は、そのゲームごとに最適化されてしまっているのではないだろうか? というものだ。もちろん、それはそれで然るべきで、そうでなければゲームとして成り立たないだろうが、原作を愛する者として釈然としない気持ちを抱いたことも確かだ。

 この原稿執筆の話が持ち上がったのと前後して、お台場の“1/1”を遠目から見た。その瞬間に分かった。「ゲームは本物だ!」ということが。それは小さいのだ。18mという人型は、思った以上に小さい。建物に隠れたり、船やミデア輸送機、ガウ攻撃空母に乗せられて運ばれたりというのも、ごく自然に行なわれるであろうことが直感できた。今までのゲームも嘘をついていない。自分は今まで、本物のスケール感の中でMSを動かしてきたし、機動戦士ガンダム戦記もまた然りなのだ。――まあ、映像作品を注意深く見てれば、そんなの常識でしょ? って話ではあるのだが。

旧ザク(ザクI)を後ろから
旧ザク(ザクI)を敢えて後ろから眺めてみよう。肩のアーマー、腕や頭頂部に書き込まれた白線のかすれ具合がいい。シナリオモードをクリアした後は、ガンダムのような高性能MSではなく、こうしたシブい機体で楽しみたいもの。そうしたときに、描かれたディティールの細かさがゲームの味わいを深めるのだ (C)創通・サンライズ

 MSの造形に関しても、機動戦士ガンダム戦記には敬服さるるものがあった。昭和と呼ばれていた時代、ガンプラには「リアルタイプ」というシリーズが存在した。プラスチックの成型色を現実の兵器のように緑やグレーにし、コーションマーク(当時の小学生は「ちゅーいがき」と呼んでいたが)のデカールをセットにした製品だ。機動戦士ガンダム戦記に登場するMSにもコーションマークが描きこまれており、さらに地球における運用のためか、表面も若干すすけたように表現され、当時の「リアルタイプ」そのものが、ディスプレーの中とはいえ、現実に動いている感がある。もちろん、昭和のそれよりさらにディティールを再現しつつ、だ。

 昭和のあの一時、ガンプラを買いに走った方は考えてみてほしい。たとえゲーム画面の中であっても、あのとき乗りたいと焦がれたMSが目の前にあって、慣れれば自分の意志通りに動いて、パーツのカスタマイズもできて、さらに一年戦争直後の、宇宙世紀の歴史の一部に我が身を投じることができるということに感激しないでいられようか。

 もちろんゲームとしても秀逸だ。新作ストーリーや、今後展開されるインターネット接続での楽しみも用意されている。決してノスタルジーだけではなく、新しいガンダムとの出会いがここにはある。機動戦士ガンダム戦記をプレイすれば、今までよりいっそう機動戦士ガンダムが好きになる。愛機で戦場を駆ける感動が、そこにあるからだ。

ペガサス級との邂逅
シナリオを進めていけば、ペガサス級との邂逅もあるのだ! (C)創通・サンライズ

電撃プレイステーションや週刊アスキーもチェック!

 「機動戦士ガンダム戦記」は、ASCII.jpのほか、「電撃プレイステーション」(10月号)や「週刊アスキー」(9月1日発売号)でも特集している。ゲーム攻略やリプレイなどのより詳しいレビュー記事を読みたい方は、これらも合わせてチェックしてみよう!


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