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対応の遅れは、顧客との別れ (1/2)

2006年07月20日 09時00分更新

文●横山 慎一郎/株式会社アイティーブースト ソリューション事業部

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 「うわっ!このメール、早く対応しないとクレームになる!」お客様からメールがきて、そんなふうに思ったことはありませんか? 実際にお客様への対応が遅れたために、クレームに発展してしまうことは、客商売をしている方なら一度は経験があると思います。でも、クレームを言ってくださるお客様はまだ、ありがたい方です。

 名誉挽回のチャンスが残っていますから。逆にクレームにきちんと対処したことで逆に満足いただけることだって少なくありません。私達が気をつけなくてはならないのは、不満に感じても何も言ってこられないお客様です。

 そのようなお客様は、どのような行動を取るのでしょうか?これまで様々な調査や研究の結果がありますが、特に次の2つの点について注意しておく必要があるでしょう。

  1. 不満に思っても苦情を申し立てるのは一部の人に過ぎず、多くの人は、黙って次から買わなくなる。
  2. 不満を抱いた人の悪い口コミは、満足した人の良い口コミよりも影響が大きい。

諸悪の根源

 何も言わずに去っていくお客様。顧客の流出に対し御社ではどのような対策を講じていますか?  心血を注いで獲得したお客様の流出を減らすためにできること。ここでは、対応の遅れを無くすことについて考えてみましょう

 対応が遅れたことによる影響にはどんなものがあるでしょうか。購入前のお客様であれば、購買の機会を失うことになり、購入後のお客様であれば、リピートの機会を失うことになります。いずれも避けなければならない重大な損失です。

 では、なぜメールへの対応が遅れてしまうのでしょうか。私はこれまで数多くの事例を見てきましたが、その原因の約8割が、メール対応のチームプレイがうまく行えていないことにあります。ここでいうチームプレイとは、対応が終わっているメールはれで、未対応のメールはどれかといった対応状況や、お客様に対して、いつ誰がどのように対応したのかといった対応履歴をチームでうまく共有することです。

 このような情報共有が効率的に行なわれていない場合、担当者それぞれのスキルに頼った属人的な対応になってしまいがちで、担当者が急に休んだときや辞めてしまったときに非常に困ることになります。

 お客様対応の担当者が1人の場合は別として、複数名でメールへの対応をしている場合には、効率的に情報共有できる仕組みを工夫する必要があると言えるのではないでしょうか。これまでの経験から、次の3点のうち1つでも該当するものがあれば、情報共有が非効率的で日々の業務に於いてかなりのムダが発生している可能性が高いです。

  1. お客様とのメール対応においてもOutlookやBecky!などを使っている。
  2. お客様からの受信メールをメーリングリストなどで担当者全員が共有している。
  3. お客様への返信する際にはBccで他の担当者にも届くようにしている。

 実は、2.と3.は1.に付随して発生する項目なので、1.に該当すれば、2.と3.にも該当するケースが大変多いです。即ち、根本的な問題は、スバリ、お客様対応にOutlookやBecky!を使っていることなのです。


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