「ゼビウス」遠藤雅伸氏、「エヴァ」大月俊倫氏――
プロに教わるコンテンツの作り方
世界に冠たるジャパニメーションやゲーム、映画祭の常連になりつつある日本映画など、日本のコンテンツ産業は世界的に高く評価される時代になった。そうした背景がありながら、それぞれの業界は決して安泰ではない。
そうした環境下で、コンテンツのプロフェッショナルを本格的に育成するための教育プログラムとして、この4月に設立されたのが「東京 ディストリビューション・オブ・コンテンツ セミナー(TDCS)」だ。
TDCSは、東京大学大学院情報学環が行なっていた「コンテンツ創造科学産学連携教育プログラム」で特任准教授として教鞭を取った映画プロデューサーの公野勉氏が提唱し、設立されたもの。セミナーには現役で活躍しているプロを講師陣に揃えた。
「映画製作事業論」は「武士の一分」のプロデューサー・久松猛朗氏が担当し、カリキュラムの特任講師には「新世紀エヴァンゲリオン」などの制作に携わり、スターチャイルドレーベルを統括するキングレコード常務取締役の大月俊倫氏などが登場する。
「ゲーム制作論」を担当するのは「ゼビウス」「ドルアーガの塔」を生み出したゲームクリエイター遠藤雅伸氏。また、業界外に情報が開示されなかった「映画配給/劇場営業論」といった講義など、コンテンツビジネスを目指す人でなくとも受けてみたいものばかりだ。
セミナーに受講制限はなく、経験・未経験は不問、年齢制限もない。「企業内の別部門から、コンテンツ関連部署に配属された方には最適」と公野氏は語る。
「ブロードバンドの映像ビジネスを担当しろと言われたが、映像のライツ・マネジメントなんて分からない」「おもちゃばかりをやってきたのに、ゲームを担当しろと言われた」など、本セミナーを必要とする人は多そうだ。
今回はその公野氏と、実際にTDCSで教鞭を取っているゲームクリエイターの遠藤雅伸氏による対談をお届けする。ふたりがコンテンツに関わる様になったいきさつや、影響を受けたクリエイター、そしてコンテンツビジネスの未来について幅広く語っていただいた。