私は、毎月セミナーや講演会の講師として、人前で話すことが多いのですが、一通り話し終わったあとの質問コーナーで、一番質問の多いのが「ウェブマスターに、どんな人を採用したらよいのですか?」または、「成功しているネットショップのウェブマスターって、どんな人ですか?」です。
インターネット販売のネットショップの成功の鍵は、ウェブマスターすなわち人材そのものがキーワードです。ベンチャーや小規模な会社では、オーナーそのものがウェブマスターを兼務していることでしょう。
結論から先に書きますと、もしこれからウェブマスターを採用しようとするのなら、ウェブデザイン専門学校やコンピュータの専門学校の卒業生は、お勧めしません。むしろ服飾デザインを学んだ人や、ファッション関係の販売に携わった人が適任です。
なぜかというと、技術よりも販売に関する知識、顧客の対応術、流行を敏感に読み取るセンスが非常に重要です。コンピュータの技術者は相手(お客様)の気持ちを察して、言葉を選んで話をするとか、相手から気に入られるように、話の流れを作ることを苦手とするタイプが大半です。しかし、ファッション関係でなんらかの仕事に従事した人はその辺が上手にできるよう訓練されています。
ウェブマスターに必要な能力と知識に関して、簡潔にまとめてみます。
ウェブマスターに必要な能力とは?
1.コミュニケーション能力
ウェブオーナーや社内関連部署、外注スタッフなどとの意思疎通を図る能力。
お客様からの問い合わせメールなどに迅速かつ丁寧な応対ができる能力です。
2.企画提案する力
現状を分析し、ウェブマーケットの動向を把握。
そして、その分析結果を具体的にコンテンツや、システムに纏め上げる能力。
3.マネージメント力
自己管理も含めて、社内外のスタッフを纏め上げる能力。
ウェブマスターに必要な知識とは
1.商売に関する知識
見込み客の獲得から、受注、売り上げ、請求、入金回収と消しこみまで一連の商取引に関する知識が欠かせません。あわせて、季節に合わせて販促として行うイベントやキャンペーン企画についても知っておく必要があります。
2.消費者の心理
お客様が「なぜこの店で買うのか?」といった消費者心理の理解が不可欠です。特に、ウェブマーケットで重要視すべきは、女性客に関する購買心理です。「感情に訴える」「体験を伝える」などについて、学ぶ必要があります。
3.マーケティングに関する知識
ウェブマーケットは、急速に拡大と進化をしています。それに伴い「集客」のためのプロモーションも変化しています。メールマガジン発行、SEO対策、PPC広告出稿、ブログ、アフリエイト、モバイルECと新たなツールやより高度なテクニックが出現しています。常に最新の情報を集め、適時導入できるよう勉強しておく必要があります。
4.デザインに関する知識
ウェブデザインは日々進化しています。さらに、ブロードバンド環境が普及し大量の情報を送ることが可能となり、ページデザインも大きく変わりました。ウェブマスターは、それら進化の流れを察知し、ウェブデザイナーに指示する必要があります。
5.システムに関する知識
商品、顧客データベース、メールマガジン配信、バックオフィスの効率化などについても、一定の知識は欠かせません。
6.コンテンツに関する知識
商品に関する情報はもちろん、特定商取引報、個人情報保護法、製造物責任、景品表示法、薬事法など法律関係の知識も必要です。
ブロードバンド環境が整備され、You Tubeなどを利用した動画コンテンツも多く見かけるようになっています。しかしインターネットの原点は「文書表現」であることは間違いありません。すなわち、文書を書く、文書が書けることが基本です。SEO対策上効果的なキーワード、お客様の心をひきつけるキャッチコピー、お客様に感謝されるメールなど、常日頃から文書作成能力を高める努力をしてください。
著者プロフィール
名前 | 田嶋 節和 | tajima[アットマーク]surfboard.co.jp |
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会社 | 株式会社サーフボード | |
サイト | http://www.surfboard.jp/ |